ふわふわのかふっ
- 2008-03-23 (日)
- カテゴリー: Diary
自宅作業がてんこ盛りな今日この頃。
この時期に知人が2週間ほど入院することになった。
この知人は独り暮らしで、最近犬を飼い始めたばかり。
その犬の世話をどうしようかと考えた所で、僕に連絡してきたのである。
自宅作業が多いのと、犬の世話に慣れているという事で僕に預けたいという。
まぁ2週間くらいならいいかな、と思って僕はその件を引き受けた。
という訳で家に子犬がやってきた。
生後7ヶ月のマルチーズ。まっしろのふわっふわ。
もうちっさいこと。歩く足取りもトテトテトテ…と、まだ頼りない感じ。
参ったなぁ、可愛いじゃん。甘えてくるじゃん。かまっちゃうじゃん。
しかし目の前に積まれた作業を無視して遊び続けるわけにもいかず
心を鬼にして作業モードに入りPCに向かう。と。
足元にくっついて寝てるじゃん。あったかいじゃん。眠くなるじゃん。
しかし何とか気持ちを切り替え作業に集中。
途中コーヒーをいれにキッチンへ向かう。子犬もついてくる。トテトテトテ。
僕はコーヒーを飲む時は一杯ずついれるので、
その度に数分キッチンに立つことになり、これが丁度良い休憩になる。
その数分の間も、僕の足の甲の上に顎をのっけて寝る子犬。
あー。もー。
最初の日からトイレの場所を覚えたので、手のかからない子だなと
思ったのだが、なかなか手こずる点もあった。
「この子は何でも食べるよ。いつも鳥のササミをあげてる。」
という言葉とともに、飼い主から食料としてササミ3パックを渡されていた。
茹でて、冷まして、軽くほぐして与えてみる。
ひとかけらをくわえる。が、食べない。
今度は油をひかずに炒め、やはり冷ましてからほぐす。
ひとかけらをくわえる。が、食べない。
うーん、僕の料理は結構評判良いのに、これは自信無くすな……。
そこで気持ちを切り替え、ササミ入りのドッグフードを数種類買ってきた。
やっと食べてくれたのだが、この子はかなり食べ物を選り好みするのであった。
結局自ら調理して与えるのは諦めた。
どうしよ、ササミ3パック。(僕は肉を食べないので)
せっかくしばらく一緒にいるので、頼まれてもいないのにちょっと躾を試みた。
基本的なことではあるが、無闇に吠えてくれるな、
ということを教えてみた所どうやら理解した模様で、
何かを訴えようとする時にも吠えなくなった。
しかし吠えるアクションというかジェスチャーはする。
なんてーの、空吠えって感じ? そんな言葉があるか知らないけど。
その際に、声は聞こえないのだが「カフッ」という息遣いが聞こえる。
その「カフッ」を聞く度にいじらしさを感じてしょうがない。
僕が寝ようとする時も「カフッ」。これは「ベッドに乗せろ」という意味。
乗っけると、しばし自分の寝やすい体勢を探り、僕に寄っかかって眠る。
なんてーの、ほっこりって感じ? 心がほぐれるねぇ。
とにかくその天才的な甘えっぷりに翻弄される日々であった。
しかしお互いの理解が深まってきた(と思われる)頃に
別れは突然やってくる。いや、全然突然じゃないけどね。
最初から解ってたことだけどもね。
入院していた知人が予定より早く退院することになったのだ。
いやぁ順調で良かったねぇ、と思いつつやはり子犬と別れる寂しさは拭えない。
この10日間を振り返りつつ最後の1日を一緒に過ごした。
別れの朝。
「元気で過ごしてね」と思いを込めて最後に背中を撫でていたら
「カフッ」 勢いよく手を噛まれてしまった。あーあ。
僕の手にうっすらついた噛み跡と、冷凍庫にササミ3パックを残して
子犬との慌しくも心温まるひとときは終わりを告げたのだった。カフッ。