Otherside

ハンドメイドの温もりを感じさせる音作り。
それが、cloudchairの1stアルバムで目指したもののひとつだった。
曲もアコースティックギターを爪弾きながら歌って作ったものが多く、
僕が自宅でリラックスしている雰囲気をそのまま音にしたような内容になっていた。

アルバム発表以降も、同様の作風を持つ曲を少なからず形にしていたのだが、
そうして作りためた「優しいうた」のほとんどは眠らせておく事にした。
いつまでも部屋でゆったり過ごしてはいられないからだ。

1stアルバムは「静」の作品だった。
「静」を表現する事の難しさとやりがいを見出だした事による指向で、今でもその探求は続いているのだが、
一方「動」の側面を表現したいという欲求も高まってきている。
今までに数々の作品を製作してきたが、ライブにおける激しさやダイナミクスという要素はあまり表現出来ていなかったように感じている。
あの高揚、陶酔、恍惚、そして「静」と「動」が共存する世界こそ、今僕が向かっている処である。
そして今まで自分が培ってきた様々な要素を統合し、更に未知の領域へ踏み出していく事。
それが僕のこれからの表現においての目標である。

僕の想い描いている音楽は、僕自身を浄化してくれるものだ。
そして僕が見たヴィジョンは、その音を浴びた人々が浄化されるものだった。
僕は確かにそれを見た。

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