【稀少モデルをレビュー】BJFE Model R
- 2014-10-17 (金)
限定99個 BJFEの激レアモデル
BJFE。Mad ProfessorやBearFoot、そしてOne Controlのエフェクターを設計するBjorn Juhl(以下BJ)自身のブランドです。
BJ本人が製作するこのブランドのエフェクターは個人のハンドメイドによる為に生産数が少なく、そしてマニアも多いので、なかなか入手が難しいレアなアイテムです。
そんな新品が流通する事も稀なBJFEのペダルが、先頃突然日本で販売開始されました。
とは言え「4モデル/各2個のみ入荷」と、やはり稀少なものでした。
今回はBJFE販売店ナインボルトのご協力で、特別にデモ演奏出来る機会を得ました。
しかもラインナップの中でも特にレアな「Model R」を使わせていただきました。
僅か99個の限定生産という貴重なモデルです。
それではデモ動画をご覧くださいませ!
BJFE Model R [Super Rare Distortion]
- Cinematography by
- Yusuke Maehara
- Directed by
- cloudchair
デモの設定とレビュー
上記デモ映像で使ったギターはLine 6 JTV-69 (James Tyler Variax)。
このギターの特徴であるモデリング機能は今回使用せず、全編ブリッジ・ピックアップのみで弾いています。
アンプはFender Twin Reverbです。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting
- V (Volume)
- 4 (時方向)
- D (Distortion)
- 12
- P (Presence)
- 12
- R (Resonance)
- 12
まずは全てのノブを12時にして音を鳴らしました。
この機種は”V (Volume)”が小さめに設定されています。12時だとかなり小さく、3〜4時あたりがユニティ・ゲインのようですので、Volumeに関してはこの値を基本と考えます。
さて、この設定で鳴らしてみると実に小気味良い歪みのトーンです。
歪みの質感は粒が粗めで、どちらかというとモダンではなくオールドスクールなタイプの音色だと感じました。
クリスピーなエッジ感、あたたかさと厚みのあるトーン、そして程良いコンプ感。
タッチへの反応も良く、ニュアンスを出しやすいです。
ノイズが少なく、アタックの立ち上がりがクリアに感じます。
Crunch Rhythm
- V
- 4
- D
- 10
- P
- 1
- R
- 2
“D (Distortion)”を少し絞った軽めのクランチ・トーンです。
チューブアンプ的なサチュレーションで、実にナチュラルな歪みに感じます。
この音色のまま、以降4パートのバッキングを通して弾いています。
Resonance : Min
- V
- 5
- D
- 12
- P
- 12
- R
- 7
このモデルの肝と思われる”R (Resonance)”を回してみます。
一般的な歪みペダルの”Tone”とは異なるコントロールです。
絞り切ってもピッキングのアタックをしっかり感じますし、こもった感じもありません。
絞り切るとやわらかい質感になります。元々持っているあたたかさが強調されて、オーバードライブ的な音色になります。
Resonance : Max
- V
- 5
- D
- 12
- P
- 12
- R
- 5
“R”を上げていくと歪みのエッジが鋭くなっていき、ディストーションらしいトーンに変化します。
フルにするとメタリックな質感が出てきます。
この”R”コントロールは可変幅が広めだと思いますが、フルアップでも太さを保っているのでヒステリックな感じにはなりません。
Presence : Min
- V
- 5
- D
- 1
- P
- 7
- R
- 9
次は”P (Presence)”の効き方を探ります。
この”P”は初期3ノブ時のModel Rには無く、現行の4ノブ型になって追加されたパラメーターです。
高域のエッジを調整する感じで、正にギター・アンプのPresenceに近い効き方だと思います。
絞り切ってもコモるというよりはスムーズ、マイルドな音色になります。
ここでは”R”も絞り気味にして、かなりスムーズなトーンを鳴らしてみました。
Presence : Max
- V
- 5
- D
- 1
- P
- 5
- R
- 1
“P”をフルにするとトーンが明るくなり、エッジが強調されます。
レスポンスの鋭さが際立つので、それが演奏にも反映されているように思います。
“P”も”R”と同じく割と広めの可変幅だと思いますが、それでも使える範囲に絞られているような印象があり、その辺にBJFらしさを感じます。
Max Setting
- V
- 5
- D
- 5
- P
- 5
- R
- 5
ここで、全てのノブをフルにしました。
“D (Distortion)”は絞り切るとクリーン、8時から10時くらいまでは軽めのクランチ、11時くらいからディストーションらしいエッジが出てきて、それ以降は密度が上がり歪みの粒が際立っていく感じです。
フルにするとザクザクとして分厚い歪みになります。フルでも歯切れの良さは十分にあるので、リフなどを軽やかに弾ける感じです。
この設定でも十分タッチのニュアンスが出ます。
Hi-Gain Lead
- V
- 5
- D
- 5
- P
- 10
- R
- 2
最後は”P”と”R”を程良く調整した深い歪みのリードです。
中域が豊かで太さを感じますし、歯切れも良いので速いフレーズも聴こえやすく、更にはニュアンスも出しやすいです。
リード向けディストーションとして申し分ないと思います。
総評
BJFEのエフェクターはこれまで数種類弾いた事がありました。どれも個性的で独特の魅力を持っていて、人気の高さがうなずける出来でした。
そしてこの“Model R”もまた然り。
「レア」というだけでなく、ユニークでクオリティが高く「非常に使える」という意味でも本当に価値のある歪みペダルだと思います。
Mad Professor、BearFoot、そしてOne Controlと、BJ設計のペダルをこれまで少なからず弾いてきまして、共通点や方向性といった「BJらしさ」を掴めてきた気がします。
Model Rの音色や弾き心地の良さは正にBJらしいものです。
“P”と”R”という、抽象的ながら実用的なパラメーターもまた実にBJらしいと思います。
独特の塗装も味わい深く、色合いや立体感、雰囲気も含めてとても存在感があります。
BJFEは塗装が剥がれやすいので今回取り扱いにはかなり気を遣いましたが、実際に所有出来るならガンガン使い倒してみたい、そんな魅力的なエフェクターです。
期待を裏切らない逸品でした。
ナインボルト | BJFE Model R
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