【驚異の27フレット】Caparison Horus-M3レビュー

2014-12-08 (月)

Caparison Horus-M3

モダンなHM仕様の27Fギター

今回はギターをレビューします。
CaparisonのHorus-M3です。
ヘヴィ・メタルに特化したような仕様のこのギターを、ミュージックランドKEYの協力により特別に使わせていただきました。

今回はスタジオセットを使用してデモ動画を制作しました。
このギターに合った、独特な雰囲気の映像に仕上がったと思います。
まずは是非こちらをご覧ください！

[27 Fret Guitar] Caparison Horus-M3

Music / Movie / Cast: cloudchair
Cinematography by: Yusuke Maehara
Cinematography Advisor: Yawara Inafuku (+CLEAR+)
Stylist: Mika Kashiwa
Shot at: YouTube Space Tokyo
Thanks to: Lep International
Supported by: Caparison
Presented by: MUSICLAND KEY

[この動画はYouTube Space Tokyoとレジェンダリーエンターテイメントのハウスオブホラーズにて撮影されました。]

デモの設定と解説

上記デモ映像で使った機材は、アンプがFender Twin Reverb。
エフェクターのデモ制作時と同様にクリーンな音色で、全編同じ設定です。
歪みなど音色のバラエティはエフェクターで作っています。
使用エフェクターについては下記で紹介します。

それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。

Basic Rhythm

Pickup: Bridge
Distortion: Amptweaker TightMetal Pro

まずはブリッジ・ピックアップでリフを弾きました。
歪みエフェクターとして選んだのは、こちらもメタル仕様のディストーションAmptweaker TightMetal Pro (以下TMP)。
ここでは全てのノブを12時にした基本的な設定にしています。

中域が豊かで低域もしっかり出ています。それでいてタイトなのでザクザクしたリフに合います。
コンパクトなボディや見た目の印象からは鋭い音色を連想しそうですが、なかなか太いトーンを持っています。

Basic Lead

Pickup: Bridge
Distortion: TMP

Basic Rhythmと同じ設定からTMPのブースト・スイッチをOnにしてリードを弾きました。

中域がファットです。サスティーンが伸び倍音も多く、正にメタル的リードにぴったりのトーンです。
ピッキングのニュアンスも出ますし、リードで歌わせる用途に向いていると思います。
最後のフレーズでは25フレットまで使っていますが、このポジションでもしっかり音が伸びます。

Fat Lead

Pickup: Neck
Distortion: TMP

続いてネック・ピックアップでリードを弾きました。
ディストーションは歪みを下げ中域を持ち上げています。

27フレットまであるこのギターでは、デザインの都合上通常のストラトのミドル・ピックアップくらいの位置にネック・ピックアップが配置されています。
そしてシングル・サイズのハムバッカーという仕様です。
通常のネック・ピックアップと比べるとエッジが立っています。
そして一般的なミドル・ピックアップと比べると明らかに太く、出力も高いです。
ファットで甘いですが、太すぎないトーンです。

Clean Arpeggio

Pickup: Mix
Reverb: TC Electronic T2

ここでディストーションをオフにしてクリーン・トーンを鳴らしました。
ピックアップはセンター・ポジション、つまりネックとブリッジのミックス・トーンです。
TC Electronicのリバーブ”T2 Reverb“をかけて空間を演出しています。

ハムバッカーの素直なクリーン・トーンだと思います。
硬質ですが中域が豊かなので固すぎず、アルペジオの分離も良いです。
シングルコイル的なシャリッとした高域の感触は少ないです。
枯れた感じのクリーンには不向きかと思います。

Mild Lead Harmony

Pickup: Neck
Overdrive: One Control Persian Green Screamer
Reverb: T2

再びネック・ピックアップを使い、軽い歪みをかけてハーモニー・パートを弾きました。
ここでの歪みは先日レビューしたばかりで今月末に発売予定のOne Control Persian Green Screamerです。
ヴィンテージTS的な王道のオーバードライブ・トーンをイメージしました。
更に”T2 Reverb”で奥行き感を出しています。

TS系の歪みをかけた事もありますが、中域の密度が濃く感じます。
そして独特のピックアップ仕様のおかげか、スムーズながら輪郭が見えやすいトーンです。
ハーモニーを重ねた事で、オケ中での分離感もわかっていただけるかと思います。

Mid Scooped Dist

Pickup: Bridge
Distortion: TMP

ここからはブリッジ・ピックアップのみを使用しています。
歪みはTMPで、ハイゲインで中域をカットしたモダン寄りなメタル・トーンにしました。

パーム・ミュートで細かく刻むリフを弾いていますが、アタック時のエッジが鋭くローが出つつもタイトなので、このようなフレーズにうってつけだと感じました。
ちなみに弦のゲージは工場出荷時の009〜042という細い仕様のままで弾いています。
より太いゲージを使えば更なる低域の音圧を期待出来ると思います。

Shred Lead

Pickup: Bridge
Distortion: TMP

ハイゲインで、上記”Mid Scooped Dist”とは逆に中域をブーストしたトーンでリードを弾きました。
スウィープとタッピングによるフレーズで、かなり軽めのタッチで弾いています。

やはり中域が豊かで中身の詰まったトーンに感じます。
軽いタッチで弾いても音に芯を感じますし、粒立ちが良いです。
後半ではこのギターの最も高いポジション、27フレットまで使っています。
超ハイポジションで弾くフレーズはキラキラした感じがあり、初めて体験する領域で新鮮でした。

仕様 / 総評

所謂ディンキー・タイプのスリムで小振りなボディシェイプは身体に馴染みやすいと思います。
この特殊なカラーリングは実に独特の雰囲気を持っていて目を引きます。
アウトプット・ジャックはボディ・サイドのエンド・ピン付近にあり斜めに角度が付けられていて、シールドをストラップにかけやすいようになっています。

ネックには下記のような特徴があります。
“ある程度の厚みを持たせつつ、左手親指の当たる部分はナット付近は平坦で、ハイポジションに向かって丸みを帯び、コードワークとリードプレイの両面からスムースな移動をサポートします。フィンガーボードのRadiusもナット付近で350R、最終フレット部で400Rと高度で精密なプレイアビリティ重視の設計で、弦高のセッティングも低く設定できるように作られています。
– KEY商品ページより引用 -”

628mmのミディアム・スケール、ジャンボ・フレット採用という事でスムーズな弾き心地を求める人にはうってつけの仕様かと思います。
個人的にエボニー指板は久々だったのですが、特徴的な音の密度はこの材質も関係しているかも知れません。見た目の高級感も良いですね。
ちなみにメイプル指板のモデルもあります。
またポジション・マークも独特で “インレイはクロックで時刻がフレット位置を指し示す独自のデザインを採用している。
– Wikipediaより引用 -”
とあるように凝ったデザインのものです。

目玉ともいえる27フレットは、やはり特殊な感じがします。ミディアム・スケールでフレット間が狭い事もあり、最高ポジションまで使いこなすには修練を要するのではないでしょうか。
とは言え、24フレットあたりまでは通常のギターと比べると実にスムーズに弾けると感じました。

特徴的なスペック、滑らかな弾き心地、リズム / リード共に使えるトーン。
ジャンルに特化しているのでヴァーサタイルなギターではありませんが、
ヘヴィ・メタル志向のプレイヤーにとっては納得の仕様とクオリティだと思います。

これから数本、このギターを使用したエフェクターのデモ動画を公開予定です。
そちらもどうぞお楽しみに。

2012モデルのHorus-M3は、BodyにM3構造を採用しました。Fingerboardは、Ebony(EF)とMaple(MF)を選択していただけます。NeckとHeadにはBindingを施し高級感をアップしています。Bridge Pickupには、Caparison PH-Rを搭載しました。新Sponge Art Color(SnowStormとBlackRose)になります。
+EMGモデルを加え、Metalファンの要求に応えます。
1995年にデビューしたHorusは、日本のギタリストChacha maruと共同開発。 628mmスケールの27フレット仕様という特異なギターです。

M3構造は、Neckとほぼ同じ幅のMaple材をセンターに、その両サイドにMahogany材を配置して構成します。
ボディ中央のMaple材とネックのMaple材がボルト・オン構造でジョイントされる構造です。
また、M3構造は、塗装の仕上げにグロス・フィニッシュを想定してデザインしました。(ヘッド・トップのみPro. Blackフィニッシュです。)

Horus-M3は、ハイアウトプットのCaparison PH-Rハムバッキングピックアップと27フレットギター専用ネックポジションピックアップSH-27Fを搭載しています。
コントロールは、必要最小限のMaster Volume, Pickup Selector Switchです。

– Caparison Horus公式ページより引用 –