【新作リバーブ・レビュー】One Control Prussian Blue Reverb
- 2015-07-12 (日)
One Control初の空間系ペダル
One Controlがエフェクター2機種を同時発表しました。
Baltic Blue FuzzとPrussian Blue Reverbという2種類の青いペダル。それぞれファズとリバーブです。
既に2機種のデモ動画を公開しており好評をいただいております。
遂に店頭販売開始という事で、今回はまずPrussian Blue Reverbをレビューします。
One Control | Prussian Blue Reverb
One Control | Baltic Blue Fuzz
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Cinematography by
- Yusuke Maehara
- Thanks to
- Fujigen
- Caparison Guitars
- ミュージックランドKEY
- Lep International
- PURUS Picks
- Sfarzo Strings
- Garret Works
幻惑の青
One Controlにとって初のモジュレーションペダルはこのサイズに電池使用可能なリバーブを作り出しました。
様々な歪みペダルをリリースしている頃、このペダルの制作はひっそりとスタートしました。電池を搭載することのできるリバーブペダルを。可能なのか?小さな疑念は私たちの諦めることの無い頭脳の前では乗り越えるためにある超えるべき壁です。さあ、これがギタリストが求めるリバーブです。Prussian Blue Reverbは、24bitの高音質デジタルチップにBJFのカスタムプログラムを収録したリバーブペダルです。もちろんドライシグナルはデジタルに変換されることのないアナログドライスルー構造です。
ギタリストやベーシストにとっての理想のリバーブトーンとは、“スプリング”でも“ホール”でもなく、“ルーム”でもない、それぞれの特性を合わせた、中間的で主張しすぎることのない、それでいて存在感のあるリバーブです。
あえて比較するとすれば、スプリングよりもホールよりなトーン、しかしホールリバーブのようなやり過ぎるブライトさはありません。
リバーブシグナルのディケイタイムをランダムに変調することにより、モノラルエフェクトでありながら音が空間的に拡散するような効果を作ります。そして、このランダムな変調はギターやベースの弦振動特性に近くなるようにプログラムを行っています。
これは“反響を個別に録音して重ねた”ような従来のリバーブアルゴリズムとは違う、Prussian Blue Reverbならではの特徴であり、自然で立体的でありながら地味ではない、プレイヤーが真に求める理想のリバーブトーンに最も近い音なのです。そして同時に、反響がリズムに干渉しないよう、Decayコントロールを設けました。BJFの設計したDecayコントロールは一般的なリバーブの“残響の長さ”を調整するだけのコントロールではなく、ギターのトーンに合わせてシームレスに減衰するようなセッティングを簡単に行うためのコントロールです。ディケイタイムは2msから2sまで設定でき、音にふわっとした残響が乗るだけのセッティングから、いつまでも残響が続くようなトーンまで、実際に音を作ることができます。
正確なDecayコントロールと圧倒的にナチュラルなリバーブトーンは、現代の技術の粋を結集して作られたスタジオクラスのリバーブユニットに近いと言えます。しかもそのリバーブユニットはギター/ベースのためだけに設計されているのです。また、Prussian Blue ReverbにはKill Dryスイッチでドライシグナルをミュートすることが出来ます。
多くのラックタイプのエフェクトなどに搭載される機能ですが、一部のギターアンプやミキサーなどのパラレルエフェクトループに接続して使用する際に効果的です。
また、メインのシグナルチェインにKill DryにしたPrussian Blue Reverbを接続すれば、短いアーリーリフレクションの設定によりスローヴォリュームエフェクトのような使い方も可能です。●特徴
・BJFによる完全新設計のリバーブペダル
・圧倒的にナチュラルで立体的に音が拡散するサウンド
・リズムに干渉セず、自然なセッティングができるDecayコントロール
・キルドライ機能搭載
・アルミ削り出しのハイクオリティなミニサイズケース
・電池内蔵も可能●Specification
インプットインピーダンス : 500K
アウトプットインピーダンス : 2K
駆動電圧 : 8-12V
消費電流 : 60mA
S/N比 : -96dBm
サイズ:39Wx100Dx31H mm(突起含まず)
47Wx100Dx48H mm(突起含む)
重量:およそ160グラム(電池挿入時200グラム)
トゥルーバイパススイッチング「リバーブエフェクトの開発にあたり、私はギタリストが求めるリバーブのセッティングを追い込んだ。実際に私がギターを弾く際にもそうだが、スプリングとホールの間、ホールよりなリバーブトーンを求めることが多いようだ。そしてリズムの邪魔にならないよう設定できる正確なDecayコントロールを加えた。
自信はあったが、実際にPrussian Blue Reverb(PBR)の音を聞いて驚いた。まさにこの小さなペダルの中に、どこまでも広がる空間が入っているといえる。
ギターとベース用に作ったペダルなので、エレキギターやエレキベースだけでなく、アコースティックギターやベースにも最適だ。
特に歪みエフェクトの後、トレモロエフェクトの前にPBRを接続した音は最高だね。」
Bjorn Juhl– 公式ページより –
使用機材
デモで使用した機材は下記リストの通りです。
- ギター
- FGN NST200
- Caparison Angelus-M3B
- アンプ
- Fender Twin Reverb
- ピック
- PURUS Picks 木製オリジナル・ピック
- 弦
- Sfarzo SFT Screamers .010〜.046
尚この動画ではOne Controlの製品各種と組み合わせて音作りをしました。
製品名をクリックするとそれぞれのレビューをお読みになれます。(一部レビューの無いものは公式ページへジャンプします)
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting
- Tone
- 12 (時方向)
- Level
- 3
- Decay
- 12
ToneとDecayを12時にした基本的設定です。リバーブの音色はクリアながら、ギターのトーンがふくよかになる感じがあります。リバーブのタイプとしてはショート・ホール系の印象を受けました。原音を邪魔しないトーンだと思います。
One Control Granith Grey BoosterとPurple Humperを組み合わせたクリーン・トーンです。
Short Reverb
- Tone
- 1
- Level
- 12
- Decay
- 7
Decayを最小にしました。Decayを短くするとルーム・リバーブっぽくなります。Toneを少し上げると固めの壁の反響のようなトーンになります。
ここではTS系のPersian Green ScreamerのVintageモードで歪ませています。
Dark Reverb
- Tone
- 7
- Level
- 2
- Decay
- 9
Toneを絞ったダークな響きです。
Basic Settingと同様にGranith Grey BoosterとPurple Humperを組み合わせたクリーン・トーンです。
Bright Reverb
- Tone
- 5
- Level
- 1
- Decay
- 2
Toneを上げたタイル的なリバーブです。
ここではベース用オーバードライブHooker’s Green Bass Machineで歪ませました。
Long Reverb
- Tone
- 3
- Level
- 5
- Decay
- 5
Decayを最大にすると教会を思わせる長い響きになります。
ちなみにこの動画の冒頭も、この設定で弾いています。
クリーン・トーンはGranith Grey BoosterとPurple Humperの組み合わせです。
Kill Dry
- Tone
- 12
- Level
- 5
- Decay
- 12
- Kill Dry
- On
キルドライ、つまり原音をカットしてエフェクト音のみを出力するモードです。アタックを感じないパッド的なトーンで、特に歪みと組み合わせる事でシューゲイザーに合いそうな響きになります。
ここでの歪みはStrawberry Red Over Driveで、リバーブの前に繋いでいます。
Kill Dry → Fuzz
- Tone
- 12
- Level
- 5
- Decay
- 12
- Kill Dry
- On
一般的にリバーブは歪みエフェクトの後に繋ぐのがセオリーとされていますが、キルドライの場合はリバーブの後に歪ませて濁らせる使い方も合います。
ここではリバーブの後にBaltic Blue Fuzzを繋いで飽和感を演出しました。
One Control最新2機種の組み合わせです。
総評
One Controlらしくバランスの良い、そしてBJFらしく個性的にまとまったエフェクターだと思います。
公式説明に「“スプリング”でも“ホール”でもなく、“ルーム”でもない、それぞれの特性を合わせた、中間的で主張しすぎることのない、それでいて存在感のあるリバーブ」とある通り、独特ながら自然なリバーブを提供します。
シンプルなコントロールながら効果のバリエーションが広く、使い勝手の良さはさすがだと感じました。
デモ動画で気になった方は是非試奏してみてください!
Prussian Blue Reverb | ナインボルト
Baltic Blue Fuzz | ナインボルト
FGN NST200 | ミュージックランドKEY
Caparison Angelus-M3B 2015 Dark Ale | ミュージックランドKEY
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