【動画&レビュー】One Control | Sea Turquoise Delay
- 2016-01-31 (日)
ワンコントロール初のディレイ
One Controlからリリースされた、ブランド初のディレイとなるSea Turquoise Delay (以下STD)をレビューします。
まずは私が制作したデモ動画を是非ご覧ください。
One Control | Sea Turquoise Delay
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Accessories
- Garret Works
- Hat
- corgi-corgi
- Thanks to
- Fujigen
- DeMont Guitars
- Korg
- Hoochies
- PURUS Picks
使用機材
デモで使用した機材は下記リストの通りです。
- ギター
- FGN NST200
- FGN EFL-FM (with DeMont PU)
- アンプ
- Kemper Profiling Amplifier (プロファイルはFender Bassman)
- ピック
- PURUS Picks 木製オリジナル・ピック
この動画ではOne Controlの各種ペダルと組み合わせて音作りをしました。
レビュー文にある製品名をクリックするとそれぞれのレビューをお読みになれます。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Clear Delay
- Delay
- 12 (時方向)
- Level
- 5
- F.Back
- 10
クリーン・トーンのアルペジオに4分(音符)のディレイをかけてみました。
デジタルらしくとてもクリアなディレイ・トーンですが、独特の柔らかさを持っています。
アナログ的な味付けという事ではなく、透明感を保ちつつ自然に減衰させているという印象です。
これはBOSS DM-2Wのレビュー時に感じた事ですが、ローファイな方向性とは真逆の、あくまでも高音質を目指した上でアナログ的な柔らかさを付加するという感覚に近いものがあります。
「かつての技術者が夢見たディレイエフェクト」という公式説明文にあるフレーズは、そのような音色の志向性を表しているのではないかと感じました。
なお、このデモでは全ての音色にOne ControlのブースターLittle Green Emphaserをかけています。
For Crunch
- Delay
- 12
- Level
- 1
- F.Back
- 9
上記クリーン・トーンと同じタイミングの4分ディレイを、今度は歪ませたトーンにかけてみました。
歪みのエフェクターはStrawberry Red Over Driveです。
レベルを大きめにしているので演奏の切れ間ではクリアなディレイ音が聴こえますが、原音には干渉してこないのでプレイの邪魔になりません。
クリーンな奥行きを感じていただけると思います。
Slap Delay
- Delay
- 9
- Level
- 2
- F.Back
- 10
ディレイ・タイムを短くしてスラップ・ディレイに設定しました。
ここでのオーバードライブはTS系のPersian Green Screamerです。
一般的にスラップ・ディレイにはアナログ・ディレイが使われる事が多いと思います。
アナログ・ディレイ特有の高域がロールオフした音色のおかげで、短いディレイ・タイムでも原音を邪魔せず奥行きを付加するわけです。
STDのエフェクト音は高域が十分に感じられるトーンなので、比較的明るい感触のスラップ・ディレイとなります。
Short Delay
- Delay
- 10
- Level
- 1
- F.Back
- 10.5
8分のディレイ・タイムで3〜4回フィードバックが聴こえる感じにして、Baltic Blue Fuzzのファズ・トーンで弾いてみました。
歪んだトーンに、影のような奥行きを加えるイメージです。
ここでもディレイ・レベルを大きめにしていますが、控えめな存在感で奥行きを演出するのは秀逸だと感じました。
それでいて原音が途切れた時にはディレイ音が前に出てくる感じもあり、ダッキング・ディレイのようにも感じられるのが不思議です。
歪んだ音にかけても濁りが少なく使いやすいです。
Infinite Feedback
- Delay
- 10.5〜
- Level
- 5
- F.Back
- 5
フィードバックを最大に設定しました。
このSTDはアナログ・ディレイ的な自己発振はしません。
ディレイ音がほぼクリアなまま無限にリピートされます。
公式説明文には「数時間が経過すると最後には切り刻まれたようなローファイサウンドへと姿を変えます」とありますが、さすがにそれは試していません。
後半ではDelayツマミを動かしてみました。アナログ・ディレイ的な音程変化はなく、早さだけが変わります。
自己発振や音程変化といったアナログ的要素が非搭載なのは、最近のディレイ・ペダルとしては珍しいかも知れません。
正統派デジタル・ディレイ・ペダルと言っても良いでしょう。
なおディレイ・レベルを最大にしているのですが、演奏する時の実音はしっかり聴こえる辺りが絶妙だと感じました。
Long Delay
- Delay
- 3
- Level
- 2
- F.Back
- 10
Delayを2分音符のタイミングに設定したロング・ディレイです。
歪みはAnodized Brown Distortionです。
やはり濁りの少なさを感じます。
ペダルではなくアンプ側で歪ませる場合にはもう少し濁りを感じるかも知れません。
今回は試していませんが、ディレイ音をもっとクリアに聴かせたいならSTDをキル・ドライ・モードにして原音をカットし、アンプのエフェクト・ループに入れると良いでしょう。
Sequential Delay
- Delay
- 10.5
- Level
- 5
- F.Back
- 10
符点8分のタイミングでディレイをかけた、シーケンス的なエフェクトです。
デジタルらしく明瞭なディレイで、この用途に向いていると感じます。
減衰感も自然だと思います。
総評
「明瞭でクリアながらプレイを邪魔しない独特の質感」正にそのサウンドがこのペダルの特長です。
アナログ的な味付けではなく、ハイファイ感を損なわずに自然に減衰させるというアプローチはOne Controlらしくユニークだと思います。
私は入手してすぐにライブでも使っていますが、原音への干渉が少ないのでかけっぱなしでも良い感じです。
同ブランドのPrussian Blue Reverbとともに基本の空間エフェクトとして使用しています。
どちらも自然な空間を演出する高品位なエフェクトです。
使いやすい正統派のディレイをお探しの方には特におすすめします。是非試してみてください。
Sea Turquoise Delay | ナインボルト
FGN NST200 | フジゲンオンラインショップ
EFL-FM | フジゲンオンラインショップ
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