【動画&レビュー】One Control | Little Green Emphaser
- 2016-02-01 (月)
BJFE幻のペダルを復刻
One ControlからリリースされたLittle Green Emphaser (以下LGE)をレビューします。
BJFEからごく僅かのみ制作された幻のペダルを復刻した、個性的なブースター/フィルターです。
まずは私が制作したデモ動画を是非ご覧ください。
One Control | Little Green Emphaser
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Accessories
- Garret Works
- Hat
- corgi-corgi
- Thanks to
- Fujigen
- DeMont Guitars
- Korg
- Hoochies
- PURUS Picks
使用機材
デモで使用した機材は下記リストの通りです。
- ギター
- FGN NST200
- FGN EFL-FM (with DeMont PU)
- アンプ
- Kemper Profiling Amplifier (プロファイルはFender Bassman)
- ピック
- PURUS Picks 木製オリジナル・ピック
この動画ではOne Controlの各種ペダルと組み合わせて音作りをしました。
それぞれのパートでまずLGEをオフの状態で弾き、その後オンにして同じフレーズを弾いています。
なお全てのギターにはPrussian Blue Reverbで薄くリバーブをかけています。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting – Pre Boost
- Blend
- 12 (時方向)
まずはクランチへLGEをプラスしてみました。LGEはBlendを12時にした基本的な設定です。
歪みのペダルはStrawberry Red Over Drive (以下SROD)です。
なおトーン名に”Pre Boost”とあるものは、LGEを歪みペダルの前に繋いでいます。
極端な音質変化はありません。あくまでも原音の持ち味は変えずに、独特の効果を与えるペダルです。
音圧が若干上がり高域のエッジ感が増します。ピッキングの粒立ちが前面に出てくるので、ニュアンスが強調されるように感じます。
SRODの持つアタックのコンプ感もより際立ちます。
アンプのトーン・コントロールに例えるとトレブルというよりプレゼンスが上がるような感触があり、高域が伸びる事で空気感が増し、それが立体感の演出にも繋がっていると思います。
公式説明文にある「音色に“余韻”を加える」というのはこの辺りの効果を表現しているのではないでしょうか。
Basic Setting – Pre Boost #2
- Blend
- 12
LGEの設定は同じまま、ギターをストラトからレスポール・タイプへ持ち替え、歪みペダルもTS系のPersian Green Screamer (以下PGS)に変えてみました。
TS系らしくミッドレンジにフォーカスされたトーンが、LGEを足す事によって高域が伸びて重心が少し上がるような印象を受けます。
リードの抜けを良くする用途として特に効果的だと思います。
For Finger Picking – Pre Boost
- Blend
- 3
再びストラトに持ち替え、PGSで軽く歪ませた設定にして指弾きしてみました。
LGEのツマミは3時に上げ、トレブル・ブースト寄りの効果を狙っています。
少し引っ込んでいたトーンが、前に出てくるような変化があります。歪み感も若干強調されますね。
指のニュアンスやストラトのネック・ピックアップの感触が良く聴こえてきます。
この効果には、音抜けが良くなるおかげでより軽いタッチで弾けるようになるという、演奏面への影響も感じました。
Bright Boost
- Blend
- 5
次に、クリーン・トーンへLGEをかけてみました。ツマミは最大の5時にしています。
ここではSea Turqoise Delayを加えています。
トレブル・ブースターとしての効果がはっきり感じられると思います。音の存在感が変わるだけでなく、ディレイ音もくっきり聴こえるようになります。
アルペジオでもカッティングでも使える、アタックの際立ったトーンだと思います。
Fat Boost – Post Boost
- Blend
- 9
ここまではLGEを歪みの前に繋いできましたが、ここで後ろへ繋いでみます。
歪みペダルはBaltic Blue Fuzz。
特に強く歪むエフェクターに対しては、このように後ろへ繋いだ方が効果がわかりやすいです。
ここではLGEを9時にして、重心を下げる効果を狙ってみました。
歪みの粒立ちが粗々しくなり、ファズ感が強調されてよりマフ的なトーンへ変化します。
With Distortion – Pre / Post Boost
- Blend
- 2
ここではAnodized Brown Distortionの歪みに対して、前段と後段それぞれに繋いだ際の効果の違いを表現してみました。
前段でブーストさせる場合は、歪みペダルの持つコンプ感やトーンのキャラクターが優先されます。
そして後段の場合はLGEのキャラクターがより強く出てきて、コンプ感が薄く生々しいトーンになります。
後段だとトーンのギラつきが派手になるので、機材によっては相性を選ぶかも知れません。
ダイナミックにエッジ感が欲しい時には大きな効果を得られると思います。
総評
LGE同様にBJFEのレア・ペダルを復刻した、Purple Humper (以下PH)を以前レビューしました。
そちらも非常に独特な効果を持つ、カテコライズの難しいエフェクターでしたが、今回もまた挑戦的といえるようなユニークなペダルに仕上がっています。
LGEの仕組みとしてはフルレンジブースターとトレブルブースターを組み合わせたものという事ですが、実際の効果については公式説明文にあるように「ギタートーンに“余韻”が加わり、まるで音そのものが立体的に浮き上がるような効果が得られます」という若干抽象的な表現になります。
私なりにシンプルに書くならば「音の存在感を際立たせるブースター」という印象です。
原音をガラっと変えるタイプのエフェクトではなく、基本の音作りがある程度出来た上で、更にワンランク上を目指したいというような場合に大きな効果を発揮するのではないでしょうか。特に音抜けへの影響は顕著に表れます。
PHが太さ/重心を調整するブースターだとしたら、このLGEは鋭さ/音抜けに効くフィルターという感じです。
私は最近のライブで歪みの前段に繋ぎ、かけっぱなしで使ってみましたが終始気持ちいいエッジ感が得られました。
是非色んな歪みと組み合わせて使ってみて欲しいペダルです。
Little Green Emphaser | ナインボルト
FGN NST200 | フジゲンオンラインショップ
EFL-FM | フジゲンオンラインショップ
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