【レビュー】One Control Crimson Red Bass Preamp | feat.根岸孝旨
- 2016-04-02 (土)
太く暖かな広がりを持つベース用プリアンプ
前回に引き続き、ベーシスト根岸孝旨さんとのコラボによるOne Controlペダル紹介動画について解説します。
今回紹介するのはベース用プリアンプCrimson Red Bass Preamp (以下CRBP) の動画です。(機種名は公式ページへのリンクとなっています)
まずは動画をご覧くださいませ。
One Control | Crimson Red Bass Preamp feat. 根岸孝旨
Credit
- Bass, Song & Programming
- 根岸孝旨
- Guitar, Edit & Mix
- Jake Cloudchair
- Thanks to
- Provision Guitar
- Fujigen
解説
それでは動画の詳細について解説します。
なお、このペダルの効果は低域に強く表れるのでヘッドホン等で再生していただくとわかりやすいと思います。
ベース使用機材
デモで使用した機材は下記リストの通りです。
- ベース
- Provision Jazz Bass
- アンプ
- Bass Amp Desighner (Apple Logic Pro X プラグイン)
ベースから各ペダルに繋いだ後にオーディオ・インターフェースへ入力し、Apple Logic Pro XのプラグインBass Amp Desighnerを通して録音しています。アンプはAmpeg SVTタイプです。
動画ではベース・アンプが映っていますがモニター用です。
Song #1 “Latin”
- Brilliance
- 12 (時方向)
- Volume
- 1
- Gain
- 2
ペダルをオンにした途端に質感が変わります。
重心が下がり、低域を中心に太く広がるような音色になります。
同時にアタックの高域がかなり抑えられ、丸みのある感触になります。
「アップライト・ベースのような音を作るペダル」との事ですが、確かに楽器が変わったかのようにガラっと印象を変えるエフェクターですね。
中盤からはベースでアルペジオを弾いています。
ここでは音色の対比としてCRBPはかけず、Little Copper ChorusとPrussian Blue Reverbを使って高域寄りに広がる音作りになっています。
私もギターで参加しています。
One Controlの新作トレモロTiger Lily Tremoloをかけ、若干設定を変えた2つのトラックを録音しました。
ギターはフジゲンNST200、アンプはFender Twin Reverbです。
Song #2 “Reggae”
- Brilliance
- 7
- Volume
- 2
- Gain
- 3
続いてはレゲエ調の楽曲。
Brillianceを絞り切った設定で、更に重心の低い音色になっています。
ウッドベース的というよりもっと実戦的アプローチとしてレゲエ調を選んだ根岸さんのセンスは流石だと思いました。
中盤ではCRBPをかけない音色で裏打ちのカッティング。
そしてブレイクではSea Turquoise Delay (以下STD) をかけています。
フィードバックを最大にしてディレイ・タイムを変化させています。
ギターはLittle Green EmphaserとPersian Green Screamerで音作りしました。ブレイクでは根岸さん同様STDでディレイをかけています。
前回のHooker’s Green Bassmachine (前回レビュー記事) はある意味万能型のオーバードライブでしたが、今回のCRBPはもっと攻めた発想のペダルといえます。
効果もわかりやすいですし、是非実際に弾いてみて欲しいです。
裏技としてギターの低域を図太くする事も可能ですので、歪みペダルと組み合わせて試してみるのも面白いです。
次回は引き続きLittle Green Emphaserの動画について解説します。
根岸孝旨 Profile
学生時代より太田裕美のサポートベーシストとしてプロ活動を始め、同時期にチェッカーズ、うしろゆびさされ組等の作家も努める。
その後サザンオールスターズ、藤井フミヤ、奥田民生等のサポートを努めつつ、1997年にDr. Strange Loveでバンドデビュー。
2005年に西川進、岸利至らとJUNK FUNK PUNKを、2006年にスガシカオ、武部聡志、屋敷豪太、小倉博和らとkokuaを結成。
Cocco、GRAPEVINE、つじあやの、くるり、miwa等様々なアーティストのプロデュース、レコーディングも精力的に行っている。
ナインボルト | One Control Hooker’s Green Bass Machine
エレキベースでアップライトベースの音を。あの魅惑的で、妖艶で、太く暖かな広がりを持つトーンを。それがCrimson Red Bass Preampです。
1951年にプレシジョンベースが発売されるまで、ベースといえばコントラバス、つまりウッドベースやアップライトベースと呼ばれるベースが一般的でした。マルチトラックレコーディングが未完成だった時代、レコーディングで音の大きいウッドベースはマイクから離れた場所でプレイをしました。そして生まれた数々の名盤で聞くことの出来るあのアップライトベースの音こそ、Crimson Red Bass Preampが求めたトーンです。
体の中心が共鳴するようなローエンドとどこまでも伸びるようなローミッドレンジ。スムースでギラつくことは一切ない、暖かなハイミッド。BRILLIANCEノブを回せば、音色全体の明るさをコントロールできますが、常に暖かなアップライトベースのトーンは維持されます。
Crimson Red Bass PreampのGAINノブは、音全体の太さ、暖かさをコントロールすることができます。弦の太さを変えるような感覚や、アップライトベースのボディが振動するようなサウンドを作ります。ジャズのクールなトーンから、ロカビリーのホットなトーンまで、歪みを加えることなくコントロールできます。
Crimson Red Bass Preampは、これまでのベースプリアンプ、そしてベースエフェクター全体で考えても特異的なペダルです。初めて音を出す時には、是非アンプから少し離れたところで音を聞いてみてください。
Crimson Red Bass Preampのサウンドをスピーカーのすぐそばで聞こうとすると、聴感上ベーストーンのレンジが狭まったように感じたり、音量が抑えられて聞こえる場合がありますが、これはエレキベースのブライトなトレブルをアップライトベースのスムースなトーンへと変換しているためです。
Crimson Red Bass Preampはエレキヴァイオリン用のプリアンプとしても使うことができるほどダイナミックレンジはとても広く、また高出力です。スピーカーから少し離れて音を聞けば、意外なほどパワーがあり、アンサンブルの中で抜ける存在感とプレイをきっちりと再現するレスポンスが実感できます。特にVOLUMEノブの設定には注意して音作りを行ってください。Crimson Red Bass Preamp(CRBP)は、エレキベースでアップライトベースのトーンにどこまでも迫ることの出来るプリアンプだ。あの大きなアップライトベースを苦労して運搬しなくても、エレキベースで同様の音を作ることができる。フレットレスと組み合わせればさらに良いだろう。
───Bjorn Juhl
関連記事
- 【レビュー】One Control Hooker’s Green Bassmachine | feat.根岸孝旨
- One Controlベース用ペダル動画3本公開 – feat.根岸孝旨
- One Control | Anodized Brown Distortion レビュー