【ギター・レビュー】Caparison Horus FX-AM
- 2016-07-06 (水)
シックなルックスと中高域の伸びが魅力のギター
Caparison Guitarsのギター、Horus FX-AMをレビューします。
最近公開して好評をいただいている、One Control Purple PlexifierやHotone XTOMPの動画でも使用しているこのギターの魅力に迫ります。
まずはデモ動画をご覧ください!
Caparison Guitars | Horus FX-AM
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Cinematography
- Yusuke Maehara
- Thanks to
- ミュージックランドKEY
- OKADA International Inc.
- corgi-corgi
27フレット、ミディアム・スケールのHorusモデル初のフィックスド・ブリッジ・モデルです。 ボディは、2015年新型のHorusと同じ形状です。27フレットまでのアクセスが向上しています。
私は、FX-WM (Walnut-Top, Mahogany-Back)モデルとは、少し別方向のサウンドのフックスド・モデルの必要性を感じていました。その方向性は、ワイドレンジで強いアタック感を生み出すサウンドです。
まず、アタック感を生むために、厚めのライト・アッシュ材をトップ使用する事にしました。しかしながら、アッシュ材だけでは明るく、軽快なサウンドになるので、バック材にMaple材を使用する事でサウンドの幅を整える事にしました。この構造では、ボディ全体の質量が重くなってしまうので、演奏性が悪くなってしまうのとバック材のMapleのサウンドが強くなってしまうので、薄いボディ厚を採用しました。
ボディ構造は決まりましたが、僅かにアッシュ材の明るさが際立つので、Hip-Shot製のFixedブリッジには、スティール・サドルを選択して、ボディ構造とのバランスと整えました。
フィックスド・ブリッジ・モデルには、チューニングの安定性が求められますので、マシーン・ヘッドにはHip-Shot製のロック・チューナーを搭載し、ナットにはGraph Tech社製のBlack TUSQを採用して、チューニングの安定性を高めました。
このモデルは、とにかくストレートでアタック感の強さを求めましたので、外観も余計な装飾を排除してギターとして必要な要素のみで構成しました。指板表のポジション・インレイを排除し、必要な指板サイドのサイド・ポジションには暗い場所でも視認出来るルミナス・サイド・ポジションを採用しました。
ボディの塗装には、アッシュ材の明るいサウンドをダークサウンドへ向かわせるために、木目が分かる程に薄い、つや消し塗装を行ないました。カラーは、Natural MattとCharcoal Black Mattの2色から選んでいただけます。ヘッド表の塗装は、CaparisonオリジナルのPro.Black塗装です。この塗装によってヘッド部分での余分な振動を抑えています。ネック裏の塗装は、ネック自体の振動を抑制しアタック感を強調したかったので、ウレタンつや消し塗装を施しています。
コントロールも必要最小限のコントロールで構成されています。マスター・ボリュームとピックアップ・セレクターのみですが、それぞれのパーツには、信頼性の高いパーツを選んでいます。コントロール位置は、ピッキングの邪魔にならない位置に配置しました。
–公式ページより-
スペック
- Body
- Top : Light Ash / Back : Maple
Bridge : Hip-Shot Fixed - Neck
- Maple, Bolt-On Joint
Fingerboard : Ebony with Luminous Side Markers
Radius : R350 to R400
Scale Length : 628mm (24 3/4″)
Nut Width : 42mm
Fret : 27 Jumbo Frets
Nut : Graph Tech Black TUSQ - Headstock
- Devil’s Tail With “Wadjet Eye” Logo
Head Angle : 15 Degrees
Machine Heads : Hip-Shot Grip-Lock Open Gear Locking Tuners - Electronics
- Pickups : Caparison SH-27F [Neck] / Caparison PH-R [Bridge]
Controls : Master Volume (CTS 500kA), Switchcraft 3-Way Toggle Switch - Colour
- Natural Matt, Charcoal Black Matt[今回使用モデル]
レビュー
さて、それでは動画を題材にレビューしていきます。
使用機材は下記リストの通りです。
- アンプ
- Koch Studiotone 40XL Head
- エフェクター
- One Control Little Green Emphaser / Persian Green Screamer / Lemon Yellow Compressor / Durham Electronics Sex Drive / Hotone XTOMP / 6 Degrees FX Sally Drive / Bearfoot Honey Bee Overdrive / Leqtique 9/9
- ベース
- FGN NJB200
音作り、特に歪みは基本的にギターとアンプで作り、エフェクターは補正や強調に使用しています。
歪みペダルも使っていますが、どれもゲインは低めに設定しました。
Basic Rhythm [Pickup: Bridge]
Koch Studiotone (アンプ)
- Ch
- OD+ L
- Gain
- 5(時方向)
- Bass
- 2
- Mid
- 10
- Treble
- 3
- Mid Shift
- Off
- Bright
- +
One Control Little Green Emphaser (ブースター)
- Blend
- 2
まずは深く歪んだトーンでリフを弾いてみました。
少しミッド・カット気味にしてタイトな質感にしています。
ピックアップの出力が高く、中高域を中心にバランス良く締まったトーンだと思います。
Basic Lead [Pickup: Bridge]
Koch Studiotone
- Ch
- OD+ L
- Gain
- 3
- Bass
- 10
- Mid
- 2
- Treble
- 5
- Mid Shift
- On
- Bright
- +
One Control Little Green Emphaser
- Blend
- 2
先程のトーンからミッド・ブースト気味にしてリードを弾きました。
アタックのバイト感や中域の抜けの良さ、そしてサステインが豊かでリード向きですね。
ここでは最高域の1弦27フレットまで使って弾きました。難なく27フレットまで届く演奏性です。この辺りのフレット間は狭いですが、音が詰まる事もなく伸びています。
Warm Lead [Pickup : Mix]
Koch Studiotone
- Ch
- OD
- Gain
- 10
- Bass
- 102
- Mid
- 3
- Treble
- 5
- Mid Shift
- On
- Bright
- +
One Control Little Green Emphaser
- Blend
- 2
One Control Persian Green Screamer (オーバードライブ)
- Tone
- 2
- Level
- 3
- Drive
- 9
- Mode
- Modern
ピックアップ・ポジションをセンターにして、ネックとブリッジのミックスで弾いています。
ブリッジ・ピックアップのみに比べると程良く中低域が膨らんであたたかい質感になります。
ネック・ピックアップの位置が通常よりブリッジ寄りにあるので、極端な変化にはなりません。
レガートやスウィープも輪郭を損なわずはっきり聴こえます。
Clean Arpeggio [Pickup : Mix]
Koch Studiotone
- Ch
- Clean
- Bass
- 12
- Mid
- 12
- Treble
- 5
- Mid Shift
- Off
- Bright
- +
One Control Lemon Yellow Compressor (コンプレッサー)
- Gain
- 12
- Level
- 12
- Ratio
- 10
- Mode
- Comp
Durham Electronics Sex Drive (クリーン・ブースター)
- Gain
- 10
- Tone
- 3
- Level
- 11
- Compression
- Off
Hotone XTOMP (モジュレーション・ディレイ)
- Model
- Spaceko
- Mix
- 12
- Time
- 9.5
- F.Back
- 1
- Speed
- 5
- Depth
- 5
ピックアップ・ポジションをセンターにして、クリーン・トーンでアルペジオを弾きました。
ピックアップの出力が高くアンプが歪みやすいので、コンプとクリーン・ブースターでレベルを抑えています。
癖がなく輪郭がはっきりしているのでアルペジオもクリアに聴こえます。
Fat Lead [Pickup : Neck]
Koch Studiotone
- Ch
- OD
- Gain
- 10
- Bass
- 12
- Mid
- 5
- Treble
- 5
- Mid Shift
- On
- Bright
- +
6 Degrees FX Sally Drive (オーバードライブ)
- Level
- 12
- Tone
- 12
- Gain
- 9
- Boost
- On
ネック・ピックアップでリードを弾きました。
やはりピックアップの配置の関係上、通常のネック・ピックアップよりトレブリーですね。
個人的にはネック・ハムバッカーはあまり使わないのですが、この音色は太すぎず実用的だと思います。
なめらかに伸びるトーンは特筆ものです。
Tapping [Pickup : Bridge]
Koch Studiotone
- Ch
- OD
- Gain
- 1.5
- Bass
- 10
- Mid
- 12
- Treble
- 5
- Mid Shift
- On
- Bright
- +
Bearfoot Honey Bee Overdrive (オーバードライブ)
- Volume
- 5
- Nature
- 12
- Drive
- 7
Leqtique 9/9 (ディストーション)
- Volume
- 12
- Treble
- 5
- Bottom
- 7
- Gain
- 8
- Mid-Cut
- 3.5
私のCaparisonデモ動画ではもう恒例となった、タッピング・パートです。
各音の粒立ちがはっきりして聴こえやすいです。
この手のプレイがとても弾きやすいのもCaparisonの魅力のひとつです。
Melodic Lead [Pickup : Bridge]
Koch Studiotone
- Ch
- OD+ H
- Gain
- 1.5
- Bass
- 10
- Mid
- 10
- Treble
- 5
- Mid Shift
- On
- Bright
- +
One Control Little Green Emphaser
- Blend
- 2
Bearfoot Honey Bee Overdrive
- Volume
- 2
- Nature
- 3
- Drive
- 8
最後にサステインを強調したメロディアスなハーモニーを弾いてみました。
歪みはそれほど深いわけでもないのですが、よく伸びるトーンです。
ピッキングやヴィブラートのニュアンスもよく出ていて、歌わせがいがあります。
総評
ルックス面では、ボディの塗装が独特です。目止めをせず非常に薄い塗装が施され、木の質感が感じられる個性的な仕上がりです。
以前紹介したDellinger II FX-WMにも近いのですが、今回のHorusはマットな塗装でよりシックな印象になっています。
ライト・アッシュ・トップ/メイプル・バックという構成のボディは初めて弾きましたが、タイトで中高域の抜けが良くリード向きだと感じました。
重さは比較的軽量で、ミディアム・スケールのおかげもありコンパクトで扱いやすいと思います。
ネックはCaparison独特のネックグリップで、ジャンボ・フレットで滑らかな弾き心地です。
Caparisonのトレード・マークともいえるポジション・インレイがなく、ルックス的にシンプルな印象ですね。
指板表にインレイはありませんが、指板サイドのポジション・マークが見やすいので、演奏性には問題ないと思います。
フィックスド・ブリッジのおかげか、サステインの豊かさが特徴的です。
ボディ材の持つキャラクターと相まって、特にリードで前に出てきて欲しい帯域が伸びる感触があります。
ルックス / 演奏性 / サウンドそれぞれハイ・クオリティな仕上がりです。
デモ動画のトーンがお気に召したなら是非おすすめのギターです。
Caparison Horus FX-AM | ミュージックランドKEY
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