【エクストリーム・ディストーション】Leqtique “10/10″動画&レビュー

  • 2017-08-12 (土)

より凶暴に進化したハイゲインDS

ハンドメイドで高品質かつアーティスティックなエフェクターを作るLeqtique (レクティーク)。
2017年は立て続けに4つの新作をリリースして、かなり勢いを感じさせています。
その中の最新作“10/10”を今回レビューします。

今作は“9/9”から始まるシリーズ4部作の2つ目という事です。(“9/9″のレビューはこちら
“9/9″は個人的に思い入れがあるペダルなので、今作は続編という事でリリース前からかなり気になっていました。
Leqtique製品のレビューはRedemptionist以来やっていなかったので、すごく久々です。

今回はクイック・レビューという形で、いつもに比べて簡易的なデモ動画を制作してみました。
ちなみにこの動画は公式ではなく、あくまで私が個人的に作ったものです。
それでは是非動画をご覧くださいませ!

Leqtique “10/10” [Extremely Hi-Gain Distortion] Quick Review

Credit
Music / Movie / Cast
Jake Cloudchair
Thanks to
フジゲン
OKADA International Inc.
荒井貿易
Comawhite Custom Cable
ヒズミ屋

解説

それでは動画の内容に触れながら、“10/10”について解説していきます。

使用機材リスト
ギター
Fujigen Expert ODYSSEY
ギター・アンプ
Koch Studiotone 40XL Head : クリーン・トーンにセッティング
ケーブル
Comawhite Custom Cable
ピック
Gravity Guitar Picks:Stealth Master Finish 3mm, Stealth 4mm, Gold Sunrise 2.5mmを使用

Basic Setting [0:05〜0:39]


まず全てのノブを12時にしてみました。
ザクザクとしたモダンなハイゲイン・ディストーションです。ローが図太く張り出し、ハイの伸びも良くミッドカットも効いていてヘヴィかつタイトです。ミッドカット具合が絶妙で、ドンシャリ気味ではあるが厚みはキープしたまま薄くならないという加減になっています。

ちなみにTrebleノブは画面上で見やすいように、目盛りを白く着色しています。本来は黒1色です。
また”9/9″に搭載されていた”Mid-cut”は内部回路に組み込まれていて、トリマーは無くなっています。


Controls [0:40〜1:06]


TC Electronic Ditto Looperに録音したフレーズを再生しながら、各ノブを操作して効き具合を確認してみました。
オンにした時の音量差で伝わるかと思いますが、出力は結構大きめです。”9/9″もレベルが大きめに設定されていて、個人的にはVolume9〜11時あたりで使う事が多かったのですが、この”10/10″は更に体感音量が大きいです。この時点でかなり攻めたペダルだと感じました。

Gainは最小の状態で既にハイゲイン・ディストーションらしい歪みが得られます。タイトで硬質な歪みです。Gainを上げていくと歪みと共に低域も持ち上がり、太さが増していきます。
Bottomはスピーカーの箱鳴りを感じさせるような重い低域と音圧を調整します。音色の芯となる中域の質感にはあまり影響を与えないので、音の重さに焦点を絞ったパラメーターといえます。

Trebleは調整幅が広く、効き方も強いです。絞り切るとかなりハイカットされ、飽和感も強くなりまるでファズのような質感さえ感じます。最小から9時あたりまでは急激なカーヴのハイカットで、以降はどんどん高域がギラついていきます。最大にした辺りではミッドカットを更に強調するような、正にエクストリームな歪みとなります。

動画でも伝わるかと思いますが、Trebleはノブが小さいので若干動かしづらいです。目盛りの視認性もあまり良くないので、ステージで演奏中にいじったりするのは難しいと思います。あくまで個人的な好みですが、BottomよりTrebleを操作する機会の方が多そうな気がしたので、この2つの配置と大きさが逆だと嬉しいなと思いました。


9/9との比較 [1:07〜1:33]


“9/9″と”10/10″を比較してみました。まずはどちらも全てのノブを12時方向にし、”9/9″のMid-cutは最小にしました。両者はかなり違うトーンだという事がわかります。”9/9″が中低域にフォーカスされているのに対し、”10/10″はよりブライトでタイトに感じます。
続いてVolume以外の全てのノブを最大に、”9/9″のMid-cutも全開にした極端な設定で比べてみました。”9/9″のミッドスクープも強力なのですが、”10/10″の歯切れの良さはもう全然別物ですね。説明書にあるように、正に「最高にキレのいいリフィングマシーン」です。

十分ハイゲインだと思っていた”9/9″が、”10/10″と比べると少し大人しく感じるくらいでした。同じシリーズながら、ここまでトーンの違いを持たせているのは驚きです。より凶暴に進化した、という印象を受けました。


Lead Tone [1:34〜1:49]


ヘヴィなリフに特化したようなこのペダルですが、リードでも勿論使えます。ブライトでタイトなトーンは立ち上がりが鋭く、シュレッドやタッピングにも向いていると思います。
今回はブリッジ・ピックアップのみを使いましたが、ネック・ピックアップを選んだ時にも低域のもたつきが少なく使いやすく感じました。こちらも是非試してみて欲しいです。


総評


説明書で繰り返し使われている「エクストリーム」という表現。”9/9″のサウンドや操作性に慣れている人にとっては特に、その表現がしっくりくるのではないでしょうか。
低域の重さとタイト感、高域のエッジ感、鋭くも厚みを損なわない中域。これらのバランスがメタル向けに特化して仕上げられています。
Trebleを絞りきらない限りは大抵どんな設定でもタイト感を保っており、そこが最大の個性であり魅力だと思います。
私は正にこのタイト感を持つディストーションを求めていたので、すぐに気に入りました。

Trebleの可変幅は広めですが、GainとBottomは最小付近以外は極端な変化は感じませんでした。
明らかに汎用性ではなく強い個性を志向していると思います。
どのポイントでも”10/10″の音しかしない、そんな主張の強いペダルです。

経験上、いかにもメタルらしい歪みが欲しい時はいくつかのディストーションを並べて試したり、ブースター等を組み合わせて音作りする事が多かったです。
“10/10″は今後その役割を1台で担ってくれそうな頼もしいペダルでした。
ハイゲイン・ディストーションをお探しの方にお薦めしたい逸品です。


Leqtique 10/10販売リンク | デジマート

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