L’ 10/10 | エクストリーム・ディストーション【動画&レビュー/Leqtique, 9/9との比較】
- 2017-10-05 (木)
ヘヴィかつタイトな激歪みDS
前回の「CLD」に続き、Leqtique (レクティーク)の姉妹ブランド「L’」 (エル) の「10/10」をレビューします。
以前レビューしたLeqtiqueの10/10を、L’のフォーマットで新たにデザインしたペダルです。
シリーズ第1弾「9/9」を更にメタルに特化させたようなエクストリーム・ハイゲイン・ディストーションです。
今回も公式デモ動画を制作させていただきました。
まずは音色を確かめてみてください。
L’ | 10/10 [Extreme Distortion] Designed by Shun Nokina (Leqtique)
Credit
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Thanks to
- フジゲン
- OKADA International Inc.
- キョーリツコーポレーション
- 荒井貿易
- Comawhite Custom Cable
使用機材リスト
- ギター
- FGN EFL-FM (with DeMont PU)
- Fujigen Expert ODYSSEY
- .strandberg* Boden Classic 8 (Prototype)
- ギター・アンプ
- Koch Studiotone 40XL Head : クリーン・トーンにセッティング
設定/レビュー
Basic Setting [0:14〜0:56]
全てのノブを12時方向にした設定です。
深い歪み・ザクザクしたエッジ・ヘヴィかつタイトなトーン。Leqtique版の印象そのままのハイゲイン・ディストーションです。
この設定のままでリードにも使えます。
Sound Check [0:57〜1:18]
各ノブの効きをチェックします。このペダルは出力が大きめなので、ここではVolumeは10時にしました。
Gainは最小でもしっかり歪みます。歪みのキャラクターは基本的に一定で、Gainを上げていくと低域を中心に音圧が上がっていくような変化をします。
BottomとTrebleはわかりやすく効くので、音作りを追い込みやすいと思います。
Leqtique版ではミニノブだったTrebleがBottomと同じサイズになったのは個人的に嬉しい点です。
Tight Distortion [1:19〜1:39]
メタル向きに特化したような10/10ですが、ちょっと違うアプローチも試してみました。
Gain最小、BottomとTrebleを少し抑え、ネック・シングルコイル・ピックアップを使ってブルージー・ロック的な演奏に合わせました。
ネック側でもギラついたエッジがあり低域もぼやけず、ダイナミクスも十分にあって中々使える設定です。
ちなみにLeqtique版でも同様の使い方が出来ます。
Heavy Distortion [1:40〜2:01]
ここからは8弦ギター.strandberg* Boden Classic 8(日本未発売モデル)を使っています。
まずは7弦をメインにしたリフを弾きました。
7弦開放でも低域の音圧とタイト感を失いません。
多弦ギターに対応出来るよう設計されたというのもうなずける質感です。
Djenty Distortion [2:02〜2:24]
ここでは更に低く、8弦開放をメインにしたリフを弾きました。
通常8弦のチューニングはF#ですが、今回は1音下げてEにしています。ベースの4弦と同じ音程ですね。
BottomとTrebleはそれぞれ最大にしました。
この使い方はもう本領発揮という感じです。
低域を損なわず激しく歪ませ、硬質なタイト感も保持する。
正にエクストリームな音色です。
Shred Lead [2:25〜2:45]
ゲイン高め・Bottome低めの設定でリードを弾きました。
冒頭はネック側のピックアップで、タッピング・パートからブリッジ側に切り替えています。
リードも厚みがあってメタリックな質感です。
GainとTrebleを高めにすると発振しやすくなるので、Volumeは低めに設定しています。
Leqtique、そして9/9との比較
ここでLeqtiqueとL’の10/10を比較してみましょう。
Leqtique版の動画・レビューも是非参考にしてください。
Leqtique “10/10″レビュー
Leqtique “10/10” [Extremely Hi-Gain Distortion] Quick Review
どちらもノブの数が同じで、操作系の違いはありません。
前述の通りLeqtiqueではTrebleがミニノブだったのに対し、L’では他のコントロールと同じサイズのノブになりました。
Trebleはどちらも同じくらいよく効くのですが、ノブが大きくなったせいかL’の方が積極的に使える気がします。
この点ではL’の方が操作性が良いと思います。
音色のキャラクターはほぼ同じですが、CLDの時と似た印象の違いがありました。
Leqtiqueの方が低域に広がりがあって重心が低く感じます。L’もローエンドはかなり強いのですが比較的締まっていて少し硬く感じます。
L’の方がザクザクとしたエッジ感が強く歯切れが良いです。対してLeqtiqueは禍々しい程の重厚感があり、より凄みを感じさせます。
使いやすさならL’、音圧ならLeqtique、というのが率直な感想です。
同シリーズの9/9とも並べてみました。
予想通りではありますが、Leqtique版での両者の比較とほぼ同じ印象でした。
激しく歪むイメージの9/9も、10/10と比べるとマイルドさ・スムーズさを多く含んでいるのがわかります。
対して10/10は常にメタリックで歯切れよく、ネック・ピックアップ使用時でもそのキャラクターを保っています。
例えばライブで「リズム用に10/10、リード用に9/9」と使い分けると、歪みの質に一貫性を持たせつつそれぞれの特性も活かせて良いかも知れません。
これは私の機材環境/音作りのせいかも知れませんが、L’の10/10はあまりのゲインの高さ故か、GainやTrebleを高めにした際に発振しやすいと感じました。
Leqtique 9/9から既にその傾向は少し感じていたので、このシリーズはこういう仕様なのだと思います。
深く歪ませるならVolumeを低めに、またはノイズ・ゲート等を併用するのも良いでしょう。
総評
ハイゲイン・ディストーションの中でも重さとキレに重点を置いたモデルです。
その2点を満足出来るレベルで備えるペダルは多くないと思いますし、この価格帯・サイズという枠で絞れば圧倒的なクオリティではないでしょうか。
メタル向けディストーションとしてとにかくわかりやすく仕上がっています。
楽器店でLeqtique版や9/9と比べながら試奏するのも、それぞれの違いや自分の好みが分かると思うのでお薦めです。
L’販売リンク | デジマート
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