虹と珈琲

 

夕方。

コーヒーでもいれようとキッチンに立ったら、窓から光が射し込んで壁が七色に色づいていた。

 

「虹だ……」

 

窓ガラスがプリズムの役割をしているらしい。

白い壁に映る虹色の、とりわけ高い方にある緑と青のグラデーションに見とれているうち、

3分と経たずに虹は薄らぎ、去っていった。

 

そんなことがなんだか嬉しくて、ほんのりと幸せな気分になったのだが、

この文を書いてる今になって、肝心のコーヒーをいれ忘れていたのを思い出した。

 

Return to page top