【動画+レビュー】One Control | Honey Bee OD

  • 2018-01-12 (金)

新たなフォーマットで生まれ変わったBJFE代表作

One ControlHoney Bee OD(以下HBOD)をレビューします。
BJFEの代表作ともいえる名作ペダルが遂にOne Controlからリリースされたという事でかなり話題になりました。
これまでのOne Control製品とはデザインも大きく異なり、新たなフォーマット/シリーズがここから始まる事を感じさせます。

今回も公式デモ動画を制作させていただき、既に大きな反響をいただいています。
まずは是非ご覧ください。

One Control | Honey Bee OD [BJFe Designed]

Credit
Music / Movie / Cast
Jake Cloudchair
Thanks to
Fujigen
OKADA International Inc.
荒井貿易
Comawhite Custom Cable
Garret Works

使用機材リスト
ギター
Fujigen NST200
FGN EFL-FM (with DeMont PU)
ギター・アンプ
Koch Studiotone 40XL Head
ベース
FGN NJB200, One Control Sonic Silver Peg & Lemon Yellow Compressor

解説

BJFe Honey Bee OD。
ギターエフェクターの世界で燦然と輝くその名前のペダルは過去、現在を塗り替え、そして未来のギターエフェクターの指針となっています。
この名を冠したペダルを作る。私たちOne Controlは聖域に足を踏み入れました。

BJFは遂にこの名を冠したペダルを量産することを自らの厳しいサウンドチェックによって快諾しました。
我々の技術による製品がBJFeのトーンとして認められた瞬間を私たちは忘れることができません。
このペダルは私たちOne Controlの遺書です。私たちの決意を受け取ってください。

One Control BJFe Series Honey Bee ODは、現在のアンプライクペダルの礎を築いた、伝説のオーバードライブペダル、BJFe Honey Bee ODを、BJF本人の設計で新たに制作したペダルです。
オリジナルHoney Bee ODはオールドSuproアンプのサウンドからインスパイアを受けて制作され、2002年12月4日にリリースされました。
エレキギターとクリーン~クランチ程度に設定されたギターアンプに最適なオーバードライブペダルで、他のエフェクトや歪んだアンプと組み合わせても最適に動作し、太く暖かなオーバードライブキャラクターを作ります。
特に手元のタッチでクリーンからオーバードライブまで簡単に調整できるダイナミクス、その圧倒的なレスポンスは古い小さなアンプを使用したようなヘッドルームとフリーケンシーレスポンスで、大きなアンプであっても小型アンプでレコーディングしたような音色が得られます。

Honey Bee ODは、長年制作される中で、細かな変更が施されています。基本の音色特性が変わることはありませんが、制作された時期により、細かな特性の違いがあります。
One Controlでは、リリース当初のHoney Bee ODと現在のHoney Bee ODの両方を選択可能としました。
Vintageモードは最初期のHoney Bee ODのサウンドです。マイルドでクラシックなオーバードライブトーンと共に、特有のハイレスポンスで甘いトーンを作ることができます。
Modernモードは、現在のHoney Bee ODのサウンドです。Vintageモードと比べ、軽くゲインアップされ、特にNatureノブの可変範囲の違いによるローエンドの出力が広くなり、現代的なシーンに合わせたトーンを作ることができます。

●コントロール
VOLUME:全体の音量を調整します。12時あたりの位置から音色の調整をスタートしてみてください。
DRIVE:歪みの強さを調整します。12時あたりの位置ではピッキングに強弱をつけることで歪みを手元でコントロールできます。
NATURE:音色全体の特性を微調整する周波数レンジのコントロールです。反時計回りで低域とローミッドが強めになり、時計回りではソフトなアウトプットが得られます。12時付近から少し反時計回りに下げたあたりを基本とし、音色の調整を行ってみてください。
VINTAGE/MODERN:初期のHoney Bee ODのサウンド(VINTAGE)と、現在のHoney Bee ODのサウンド(MODERN)を切替えます。

それでは動画での設定を解説します。

Basic Setting [0:13〜1:35]

まずは基本的なセッティングで、シングルコイルとハムバッカーでそれぞれ弾いてみました。
ローゲイン・オーバードライブとして知られるHBOD。歪みは弱めで、太くあたたかいトーンが出ます。
歪みの粒立ちがきめ細かくナチュラル印象を受けました。
そして低域も豊かです。これはローをブーストしているというより、原音の低域がしっかり残っているという感覚です。
広がりのある低域のおかげで重心が低く落ち着いたトーンに感じます。

このパートの前半ではVintageモード、後半でModernモードに切り替えています。
両モードを簡単に比較するとVintageの方がゲイン低めでトーン暗め、Modernは少しゲインが高くトーンも明るめでコンプ感/歪み感ともに強くなります。
名称どおりの音色の差を感じました。

Sound Check [1:36〜1:57]

音を鳴らしながら各ノブの効き方を確かめてみました。
Driveは最小付近ではほとんど歪まず、9時あたりからサチュレーションが加わってくる感じです。そのまま12時前後まではなだらかにゲインが上がり、1~2時で歪みが少し強くなるポイントがあり、以降は最大まで緩やかにゲインが上がります。このように歪み具合の幅は狭めで微調整しやすいです。
NatureはBJFEらしい個性的なコントロールです。一般的な歪みペダルにおけるトーン・ノブに近い役割ではあるのですが、効き方がとても独特です。反時計回りにしていくと重心が低域寄りになり、パワー感も増して太いトーンになります。時計回りでは中域を中心に少しずつ重心が上がっていくような変化をします。ファット/タイトのバランスを調整するノブともいえます。
VintageモードだとNatureの変化がなだらか、Modernモードではより分かりやすい変化になります。

Dark Drive [1:58〜2:38]

VintageモードでNatureを絞った設定です。低域がプッシュされて太いトーンになります。
前半ではギターのボリュームを絞って弾いています。アルペジオに合うメロウなトーンですね。
そしてボリュームを上げるとクランチへ変化します。ギター・ボリュームとピッキングの強弱への反応性は非常に高く、流石の一言です。

Bright Drive [2:39〜2:59]

ModernモードでNatureを最大にした設定です。
先程に比べて明るいトーンで、シングルコイルらしいジャキっとしたクランチながら耳に痛い感じはしません。
Focusが実用的な幅に設計されている事が感じられます。

Lead Tone [3:00〜]

Driveを最大にした設定です。この設定でもあくまでナチュラルな歪み具合で、Drive12時の状態と比べても大差ないように聴こえるくらいです。
Driveを上げると歪みというより音の密度が上がっていくような変化を感じます。
特筆すべきはやはりタッチ・レスポンスです。強く弾けば歪み、弱く弾けばクリーン。ローゲインODとしては当たり前のようにも思えますが、タッチに反応して実に自然に歪み具合が変化します。


総評

名作の名を冠したペダル、流石の実力でした。
手元の操作/強弱だけでクランチからクリーンに対応するペダルは他にもありますが、HBODは特に自然で音楽的に感じさせる所が特別たる所以だと思いました。
かけっぱなしで使えるペダルですし、実際私も入手してすぐライブで常時オンのまま使いました。

単音の甘いトーンも魅力的ですね。ニュアンスも出しやすいですし、弾いていて楽しいです。
ただし、弾いたままの反応が直に返ってくるようなペダルですので、自分のピッキングに対してシビアになる面はあります。
逆に言えば、これを使って弾けばしっかりピッキングするようになるかも知れません。


「BJFEと同じ音が出るのか?」おそらく多くの方がこの疑問を持っているでしょう。
私自身BJFEおよびBearfootのHBOD, そしてMad Professor Sweet Honey Overdriveを弾いた事はありますが、現状では実機を並べて比較していないので答えが出せません。
私が今回のレビューで感じたのは、HBODの特徴といえる音色の要素はしっかり継承しているという事です。
この音が比較的リーズナブルな価格で入手しやすくなったのは素晴らしいと思います。
そして設計者のBjorn Juhl自身がこのペダルを認め、下記の報告のようにOne Controlに託した事実がこのペダルの価値を表しているといえるでしょう。

この報告にはかなり驚きましたし、One Controlに関わってきた身としては特別に感慨深いです。
これまた名作の誉れ高い「Baby Blue OD」のリリースも控え、2018年もOne Controlの動向が非常に楽しみです。


One Control Honey Bee OD | ナインボルト

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