【メタル系3連続レビュー#3】”Amptweaker TightMetal Pro”
- 2015-01-15 (木)
超多機能の重装備ペダル
ヘヴィメタル系アイテムのデモ動画を連続公開してきました。
今回のメタル系連続レビュー、最後に紹介するのはAmptweakerの多機能ディストーション“TightMetal Pro”(以下TMP)です。
という訳で、3回連続でメタル向けハイゲイン・ディストーション3機種を紹介してきました。
ディストーションの紹介動画は全て同じ楽曲を基に、映像や構成が少しずつ異なる3バージョンになっています。
このシリーズでは各曲に共通のモチーフや似たフレーズが登場します。
それでは動画をお楽しみください!
TightMetal Pro [Distortion] by Amptweaker
- Music / Movie / Cast
- cloudchair
- Cinematography by
- Yusuke Maehara
- Cinematography Advisor
- Yawara Inafuku (+CLEAR+)
- Shot at
- YouTube Space Tokyo
- Thanks to
- MUSICLAND KEY
- Caparison
- Lep International
- Amptweaker
- 特徴
- ブーストフットスイッチに連動する2つのブーストノブを装備
- EdgeとMidスイッチを備えた3バンドEQ搭載
- ユニバーサル、ブースト、SideTrakの3つのエフェクトループを搭載
- Gain、Tight、Volumeノブ
- ハイゲインスイッチでヘヴィなモダントーンとヴィンテージメタルトーンを切替可
- Chompセッティングスイッチと調整用内部トリムポットを持つノイズゲート
- さらに内部トリムポットで調整できるインプットノイズゲート搭載
- TightRockのようなサウンドを作ることのできるMid Boostスイッチ
- リズムとリード、個別に設定できる内部Fatスイッチ
- アンプのインプットだけでなくプリアンプとしても使用可能
- LEDを使ったノブ用の照明を搭載(アダプター使用時)
- バッテリーディスコネクトスイッチ
- センターマイナス DCアダプタジャック搭載(9~18V駆動に対応)
- 道具を一切使わずに電池交換可能
- アメリカにてハンドメイド
– ナインボルトより –
デモの設定とレビュー
上記デモ映像で使ったギターはCaparison Horus-M3。今回のメタル系レビュー・シリーズ全てで使用しています。
ヘヴィメタル仕様、27フレット搭載のこのモデルは、ミュージックランドKEYの協力により特別に使わせていただきました。
そしてアンプはFender Twin Reverbです。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
なおこのモデルはパラメーターが非常に多いので、下記の表ではメインの大きなノブ6個とブースト設定のみを表示しています。
表示している他、パネル上にMid Boost / Thrash / Smooth / Gate / Gainという5つのスイッチがあり、
更に内部にFatスイッチやノイズゲート調整用トリマーを備えています。
Basic Rhythm
- Volume
- 12(時方向)
- Low
- 12
- Mid
- 12
- High
- 12
- Gain
- 12
- Tight
- 12
- Boost
- Off
その名の通り、正にタイトでメタリックなトーンがいきなり出てきます。
密度の濃い歪みで音圧がありますが、もっさりとしがちな帯域を絶妙にカットしているのでキレが良いです。
この辺が”Tight”の所以でしょうか。深い歪みながら、実に小気味良いキレです。
デフォルトでオンになっている”Gate”も絶妙だと思います。このゲートの反応の良さもタイト感を演出しています。
このセッティングのままで、リフは勿論リードまで十分こなせるクオリティだと思います。
Basic Boost
- Volume
- 12
- Low
- 12
- Mid
- 12
- High
- 12
- Gain
- 12
- Tight
- 12
- Boost
- On
- Boost Vol
- 12
- Boost Gain
- 12
上記設定のまま”Boost”モードをオンにしました。
右側のフットスイッチで”Boostモード”になり、基本の設定プラス”Boost Volume”と”Boost Gain”で音色を調整します。
“Boost Gain”は”Gain”ノブとほぼ同様の効き方です。”Boost Volume”は音量というよりは音圧や太さをコントロールするように感じました。
Crunch Rhythm
- Volume
- 12
- Low
- 10
- Mid
- 2
- High
- 11
- Gain
- 7
- Tight
- 7
- Boost
- Off
“Gainスイッチ”をノーマルにして”Gain”を絞り切った最もゲインの低い設定です。
これでも十分歪んでいます。チューブっぽいサチュレーションを感じるアンプライクなトーンです。
ここでは”Tight”も下げてオールドスクールなサウンドを狙ってみました。
ゲイン設定が低くノイズも少ないので”Gate”はオフにしています。
Mild Lead
- Volume
- 12
- Low
- 10
- Mid
- 5
- High
- 1
- Gain
- 7
- Tight
- 9
- Boost
- On
- Boost Vol
- 5
- Boost Gain
- 7
ゲイン抑えめのリード向けトーンです。
ここでは”Boost Gain”を最小、”Boost Volume”を最大にしてシンプルにブースターとして使ってみました。
“Mid Boost”と”Smooth”をオンにする事で更にマイルドにしています。
あたたかさを感じるナチュラルなトーンだと思います。
Rough & Heavy
- Volume
- 12
- Low
- 4
- Mid
- 12
- High
- 2
- Gain
- 3
- Tight
- 7
- Boost
- Off
Amptweaker独特のパラメーター”Tight”の効き具合を表現しました。
“Tight”はローからローミッドの厚みを感じさせる帯域をカット&ブーストする感じで、右に回せばタイトに・左に回せばヘヴィな質感になります。
まずは絞り切った設定です。
ローの効いた、引きずるような重々しいトーンです。
ビッグマフ的な図太い低域は迫力があります。
Tight & Heavy
- Volume
- 12
- Low
- 4
- Mid
- 12
- High
- 2
- Gain
- 3
- Tight
- 4
- Boost
- Off
上記設定から”Tight”を上げた設定です。
タイトにすると歪み感が少し減ります。
正に引き締め具合を調整する、実用的なパラメーターです。
更に”Thrashスイッチ”で中域を削ると、よりメタリックな歪みになります。
Smooth Lead
- Volume
- 12
- Low
- 7
- Mid
- 12
- High
- 7
- Gain
- 12
- Tight
- 10
- Boost
- On
- Boost Vol
- 5
- Boost Gain
- 8
- Boost Loop
- The Panther Delay
LowとHighを絞り切った、なめらかなリード・トーンです。
更に”Smoothスイッチ”でハイエンドを少し抑えてあたたかさを加味しています。
“Smooth”は他のパラメーターに比べて控えめな効き方に感じましたが、歪みのギラつきがまろやかになります。
サステインが豊かでレガートなフレーズが弾きやすい設定です。
そしてここではTMPに備えられた3つのエフェクトループのうち1つ、”Boost Loop”にディレイを繋いでみました。
これはBoost時のみ有効になるループで、リードだけディレイをかけたい時などに便利です。
今回はJHS Pedalsのアナログ・ディレイ“The Panther”を使用し、符点8分のタイムで、更にモジュレーションをかけています。
Extreme Tight
- Volume
- 12
- Low
- 5
- Mid
- 7
- High
- 5
- Gain
- 5
- Tight
- 5
- Boost
- Off
極端にドンシャリでハイゲインな設定にしてみました。
ペダル1個でここまでエクストリームな歪みを演出できるのは凄いと思います。
Shred Lead
- Volume
- 12
- Low
- 7
- Mid
- 12
- High
- 2
- Gain
- 5
- Tight
- 4
- Boost
- On
- Boost Vol
- 5
- Boost Gain
- 2
最後はハイゲインで厚みのあるトーンでリードを弾きました。
ピッキングではザクザクとした感触、タッピングでは音の粒が際立つ効果、そして勿論サスティンも十分と、メタル系のリードには万能の設定と言えるでしょう。
総評
単体のディストーションでは最強と言えそうな超弩級ペダルです。
デモ動画で全ての機能を紹介しきれないほどの重装備でした。
ちなみに電源は9〜18V駆動で、今回のレビューでは18Vアダプターで使用しています。
メーカー側では「 9Vが50Wアンプだとすると、18Vはよりダイナミックな100Wアンプ」という感じで説明しています。
本体内部には9V電池が2個入るようになっていて、電池でも18V駆動が可能です。
電池カバーは磁力で閉じられていて、引っぱるだけで開く仕様です。
電池使用時に有効なバッテリーのOn/Offスイッチまで搭載されています。
更にはオフ/オン/ブースト時のそれぞれに有効になる3つのエフェクト・ループ、そのうち2つのループはプリ/ポストを選べるという多機能ぶりです。
この機能満載ぶり、スペック重視の人にはたまらないのではないでしょうか。
音色的には、メタル系ディストーションの王道を歩みつつ、実用的な機能を貪欲に盛り込んで進化した正統派だと感じました。
パラメーターが多く色んなリクエストに応えてくれそうですが、ジャンルを選ばない万能な幅広さを志向しているわけではなく、
あくまでヘヴィメタルに特化しているように思えて好感が持てました。
メタル・レビュー・シリーズの最後を飾るに相応しい、モンスター・ペダルです。
ナインボルト | Amptweaker TightMetal Pro
ナインボルト | Pedal Tank Red Burst
ナインボルト | What You Want 2 Micro
ミュージックランドKEY | Caparison Horus-M3
関連記事
- 【メタル系3連続レビュー#1】”What You Want 2 Micro”
- 【驚異の27フレット】Caparison Horus-M3レビュー
- 【圧倒的存在感の異形ペダル】”OGRE” 3機種レビュー