【マフ系ファズ・レビュー】One Control Baltic Blue Fuzz
- 2015-07-15 (水)
新たな時代のヴィンテージファズペダル
One ControlのBaltic Blue Fuzzをレビューします。
前回レビューしたPrussian Blue Reverbと同時期に発表された新作です。
既に2機種のデモ動画を公開しており好評をいただいております。
まずは動画を是非ご覧くださいませ。
One Control | Baltic Blue Fuzz
One Control | Prussian Blue Reverb
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Cinematography by
- Yusuke Maehara
- Thanks to
- Fujigen
- Caparison Guitars
- ミュージックランドKEY
- Lep International
- PURUS Picks
- Sfarzo Strings
- Garret Works
One ControlとBJFがまた一つ伝説を生み出しました。
歴史上、様々なファズペダルが作られてきました。それらは多くの伝説を作り、特にヴィンテージファズトーンを求めるプレイヤーは後を絶ちません。
中でもElectro-Harmonix Big Muff Piは数十年にわたる輝かしい実績と高い評価を得続け、今も進化を続けている世界的にも稀有なファズペダルです。
かつてマイク・マシューズはBig Muffの回路について“強いフィルターを通したファズ”だと語ったことがあります。One Control Baltic Blue Fuzzは、そのアイディアに基づき、BJFが設計した新たな時代のヴィンテージファズペダルです。ヴィンテージファズの再現。それは世界中のビルダーが取り組んでいます。特に、当時のサウンドを100%完全に再現するとなれば、使用するヴィンテージNOSコンポーネンツは言うまでもなく、筐体、ポット、回路パターンに至るまで拘る必要があります。
One Control BJFシリーズは、圧倒的な小型筐体を用い、現在普通に入手出来るコンポーネンツを用いてBJFの設計するオリジナル回路を載せたエフェクターです。普遍的であり、仮に何かあったとしても“どこでも簡単に入手できる”モデルであることが重要だと考えています。
Baltic Blue Fuzzの設計にあたり、BJFは複数の増幅ステージとフィルターを組み合わせました。この設計思想はBig Muffに通ずるものですが、安定性と現代の一般的なコンポーネンツに合わせるため、Op-Ampを用いています。
最初期のBig Muff……“トライアングル”や“ラムズヘッド”と聞いて頭の中で鳴る音。それがBaltic Blue Fuzzのイメージです。Baltic Blue Fuzzは、ヴィンテージマフサウンドを作るペダルであると同時に、特に音が前に抜けることも重視しています。そのため、ヴィンテージBIG MUFFと同等のゲインレンジを持ちながら、少しだけタイトでオリジナルよりも少しだけ低いゲインとなるよう調整しています。
また、エレキギターで使用することを前提にチューニングを施し、迫力のあるフィードバックトーンを作ることができるようにフィルタリングを行いました。ヴィンテージファズペダルやそのクローンモデルにありがちなピーキーさも無く、プレイングの安定感も高まります。さらにBJFはBaltic Blue Fuzzに、ヴィンテージオリジナルモデルとは比べ物にならないほど扱いやすいToneコントロールを与えました。ノブの全域でギターのトーンを破綻させること無く調整できるように設計し、ノブの動きが音として即座に伝わる、高い応答性を持たせました。伝説となったあるプレイヤーは「今欲しい音」を求めるために何台もの同じファズを用意させ、それらを取り替えて使いましたが、Baltic Blue FuzzならばToneノブを動かすだけで欲しい音を見つけられます。
Baltic Blue Fuzzは、当然ヴィンテージファズペダルではなく、またその再現に全てを賭けたペダルではありません。しかし、一聴してヴィンテージマフのトーンだと感じられる音を好みや機材に合わせて自在にコントロールでき、どこにでも気軽に持ち運ぶことができる、最も身近な“ヴィンテージマフ”ペダルなのです。
●特徴
・BJFによる完全新設計のファズペダル
・一聴して分かるヴィンテージマフトーン
・即座に好みの音に調整出来るToneコントロール
・アンサンブルでも抜けの良いサウンド
・アルミ削り出しのハイクオリティなミニサイズケース
・電池内蔵も可能●Specification
インプットインピーダンス : 40K
アウトプットインピーダンス : 50K
駆動電圧 : 9V
消費電流 : 6mA
S/N比 : -70dBm
サイズ:39Wx100Dx31H mm(突起含まず)
47Wx100Dx48H mm(突起含む)
重量:およそ160グラム(電池挿入時200グラム)
トゥルーバイパススイッチング
※電池は付属しません。「Baltic Blue Fuzz(BBF)が届き、様々なギターやアンプを使用し、テストを行った。ハムバッカーのギターを使うと、BBFはフォーカスされたきめの細かい音となり、カルロス・サンタナのようなトーンが容易に得られる。
次にBJF/Lundgrenのセットを載せたストラトキャスターを接続すると、70年代、兄の寝室で聞いたレコードを思い出したよ。私の持つハイワットアンプは、ビッグマフを使ってもギルモアの音が出ないんだが、BBFを使えばまさにギルモアのトーンが得られた。P-90やテレキャスターでも楽しめるだろう。
ローインピーダンスなアクティブピックアップのギターを使えば、フィルタリングのレスポンスが変わり、一気にモダンなファズトーンになる。パッシブピックアップを使用し、BBFの前にBJF Bufferを置いても同様の効果が得られた。
BBFは、ブリティッシュアンプはもちろん、1967 Super Reverbのようなフェンダーアンプでも簡単に音を設定できる。
Granith Grey Booster(GGB)のようなブースターと組み合わせる場合、GGBを先に接続するとモダンなトーンになる。GGBを後に接続すれば、2つのヴォリュームレベルを設定することができる。どちらも推奨できるだろう。」
Bjorn Juhl– 公式ページより –
使用機材
デモで使用した機材は下記リストの通りです。
- ギター
- FGN NST200
- Caparison Angelus-M3B
- アンプ
- Fender Twin Reverb
- ピック
- PURUS Picks 木製オリジナル・ピック
- 弦
- Sfarzo SFT Screamers .010〜.046
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting
- Vol
- 2 (時方向)
- Tone
- 12
- Sustain
- 12
ToneとSustainを12時にした基本的な設定です。
聴感上の音圧をオフ時と揃える為に、Volは少し上げています。
厚みがある歪みで、正にBig Muffを思わせるトーンです。
アタックの固い感触と、あたたかさを感じる太さが共存しています。
Lo Gain Setting
- Vol
- 2
- Tone
- 9
- Sustain
- 7
Sustainを絞り切った設定です。
この状態でも十分歪んでいます。
この歪みも甘くて良い感じで、オーバードライブ的な使い方にも向いていると思います。
Toneを絞るとヴィンテージ感が強くなります。
Fat & Smooth
- Vol
- 2
- Tone
- 7
- Sustain
- 3
Toneを絞り切った設定です。
中低域がブーストされた太いトーンです。
絞り切ってもこもった感じはなく、実用的なトーンになる所はBJFらしい仕様だと思います。
Bright Fuzz
- Vol
- 2
- Tone
- 5
- Sustain
- 12
Toneを上げきった設定です。
粗い歪みの粒がジャリジャリと際立ちます。
Hi Gain Setting
- Vol
- 12
- Tone
- 3
- Sustain
- 12
Sustainを最大にしました。
密度の濃い歪みです。
マフ的な低域の音圧は薄いですが、その分抜けが良く使いやすい音色だと思います。
後半、オクターブ奏法で同じフレーズを繰り返している箇所から、
前段に繋いだOne Control Granith Grey Boosterをオンにしています。
BJFの言うモダンなファズ・トーンを感じていただけるでしょうか。
総評
公式説明に「抜けの良さを重視した」とあるように、音の厚みがありつつも重すぎないトーンに仕上がっています。
歪みの荒々しさ、固めのアタック感、そしてヴィンテージ的な甘さ。バランスの良さはOne Controlらしいクオリティだと感じました。
ローエンドの図太い押し出しはありませんが、そのぶん厚みと歯切れの良さが同居しているので幅広く使えると思います。
マフ系で使いやすいファズをお探しの方は是非!
Baltic Blue Fuzz | ナインボルト
Prussian Blue Reverb | ナインボルト
FGN NST200 | ミュージックランドKEY
Caparison Angelus-M3B 2015 Dark Ale | ミュージックランドKEY
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