BOSS OD-1X レビュー
- 2014-03-29 (土)
最先端のODは新たなスタンダードに成り得るか
2014年3月に発売されたばかりのエフェクター、BOSS OD-1X。
今回はこのオーバードライブを紹介します。
ミュージックランドKEYのご協力を得てデモ映像を制作しましたので、まずは是非ご覧ください!
【MUSICLAND KEY】BOSS OD-1X
35年以上に渡って培ったオーバードライブ/ディストーション設計のノウハウと最新技術を注ぎ込んだスペシャル・エディション・モデルがBOSSコンパクト・シリーズに登場。従来の回路設計では成し得ない表現性とレスポンスを実現した最新の歪みサウンドをギタリストに提供します。
◎ 太く芯がありながらも、レンジが広くクリアなモダン・オーバードライブ・サウンドを両立。
◎ どの帯域でも演奏者のニュアンスを反映した自然なコンプレッション感を得られる抜群の弾き応え。
◎ ギターやピックアップのキャラクターを活かしたサウンド・メイキングが可能。
◎ 4つのつまみにより従来のペダルと同様のシンプルな操作で圧倒的に幅広い音作りが可能。
◎ つまみやパネルにクローム・パーツを採用、ビンテージ・スタイルの銀ネジ仕様と合わせ特別感のある外観に。– BOSS公式サイトより –
デモの設定解説
上記デモ映像での設定を紹介します。
アンプはRoland JC-120のCh1で、Treble/Middle/Bassは全て12時方向のフラットなセッティングです。
ギターとアンプのみでは全くクリーンで歪まない設定で、歪みエフェクターのキャラクターが反映されやすいと言えます。
ギターはFujigen ストラトキャスターとGibson Les Paul Studio Fadedで、それぞれピックアップはストラトがネック(フロント)、レスポールがブリッジ(リア)です。曲中ではずっと同じピックアップを使用。
Basic Setting [Time : 0:13 – 0:42]
- LEVEL
- 12 (時方向)
- LOW
- 12
- HIGH
- 12
- DRIVE
- 12
Clean Boost [0:43 – 0:52]
- LEVEL
- 2
- LOW
- 10
- HIGH
- 2
- DRIVE
- 7
Fat Boost [0:53 – 1:12]
- LEVEL
- 4
- LOW
- 11
- HIGH
- 2
- DRIVE
- 8
Mid Boost [1:12 – 1:22]
- LEVEL
- 12
- LOW
- 9
- HIGH
- 7
- DRIVE
- 10
Crunchy Tone [1:22 – 1:42]
- LEVEL
- 2
- LOW
- 10
- HIGH
- 9
- DRIVE
- 2
Fat Drive [1:42 – 1:52]
- LEVEL
- 2
- LOW
- 2
- HIGH
- 3
- DRIVE
- 2
Hot Lead [1:53 – 2:25]
- LEVEL
- 2
- LOW
- 3
- HIGH
- 2
- DRIVE
- 3
Review
自然な太さとまろやかなコンプ感、そしてあたたかさを感じさせる歪みの質です。
こう書くとまるで古典的なオーバードライブのようでもありますが、分離の良さやクリア感も備えている所が現代的だと感じました。
音の立ち上がりが速い印象を受けます。これは前述のコンプ感も関わるものです。
コンプレッションは割と深くかかっていて、そのおかげもあって音が前に出てくる感じがあるのですが、その際のアタック感に嫌味がなく実に絶妙だと思います。
古き良きオーバードライブが持つ程良いコンプ感、それを現代的に整えたような感触を持っています。
加えて、歪み感の反応の良さ。
歪みの音質はある意味マイルドですが、その反応性はとてもシャープというか、やはり速さを感じさせます。
ピッキングのタッチがかなり反映されるので、ニュアンスを重視したい演奏に活きてきます。
更にはノイズの少なさ。
この点も音の立ち上がりの良さを感じさせる一因ですね。
ブースターとしても幅広く使えると思います。
DRIVEをゼロ近辺にしてクリーン・ブースターとして使う場合にも、前述のコンプ感が味付けされます。
そしてLOWとHIGHのコントロールがかなり効くので、幅広いトーン調整が可能です。
どちらもわかりやすくカット&ブーストされますし、双方の調整次第で中域のバランスを整える事も出来ます。
DRIVEの調整幅も広めです。
デモ動画では70%程度の歪みまでを使っていますが、実際は更に歪ませる事が出来ます。
フル近辺ではエッジ感のある歪み方になります。また基本的に低域が太いというか、ルーズとも言える感触を持っているので、DRIVEとLOWを上げていくとファズを思わせるような飽和感を演出する事も出来ます。
BOSSという世界有数のブランドが、新たなスタンダードと成り得るエフェクターを世に送り出す…ネーミングなどからそんな戦略的な意図を思わせる事もあったので、それなりの先入観を持ってこのペダルに接したのですが、実に納得の仕上がりだと思いました。
馴染みやすい歪みのキャラクター、幅広い音作りを可能にするパラメーター、タッチ・ニュアンスを活かせる反応性、それでいて使いやすさを感じさせる適度なコンプ感。
素晴らしく完成度の高いオーバードライブだと思います。これがオーバードライブの新しい標準になるとしたら凄い事かも知れません。
BOSS OD-1X
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