【SRODの限定ローゲイン版】One Control | Cranberry OverDrive
- 2017-02-09 (木)
ローゲイン化でより太くナチュラルな効果に
One ControlのオーバードライブStrawberry Red Over Drive (以下SROD、レビューはこちら)。
このSRODの派生バージョンとしてハイゲイン版とローゲイン版の2機種が限定販売されています。
前回の記事ではハイゲイン版のLingonberry OverDrive (以下LBOD)を紹介しました。
今回はローゲイン版Cranberry OverDrive (以下CBOD)をレビューします。
まずは、既に好評をいただいているデモ動画を是非ご覧ください。
One Control | Cranberry OverDrive [Designed by BJF]
Credit
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Thanks to
- Fujigen
- OKADA International Inc.
- Garret Works
2014年、One Controlが自信を持って発売したオリジナルオーバードライブ、“Strawberry Red Over Drive”(SROD)。
この赤くて小さなオーバードライブは、数々の伝説、名機が居並ぶオーバードライブの中で、既に定番と呼ばれ、多くの伝説と肩を並べる存在となりました。
あらゆるジャンルのあらゆるギタリストが求めるオーバードライブを目指して開発を行い、誕生したSRODは、実際にジャンルや年代を超え、世界のギタリストから高い支持をいただいています。One Control Cranberry OverDriveは、アンプをプッシュしたり、軽くブーストするようなローゲインドライブトーンに合わせ、SRODにチューニングを施したオーバードライブです。限定生産モデルです。
SRODの持つ良質なアンプに共通する特性は、クリーントーンと歪みの中間のようなローゲインシグナルを、立体的でありながらまとまりのある極上のトーンへと導きます。
Cranberry OverDriveは、さらにローゲイントーンを追求するために作られたペダルです。・ギターサウンドの核となる部分を刺激するペダルである
・どんなギター、アンプにつないでも、常にギタリストが欲しい音を出力する
・ギターやアンプ、エフェクターなど、他の機材の持つ特性を最大限に活かす
・プレイヤーが手元で行った表現を余すこと無く拾い上げる
・その上で、細かな音色調整ができるSRODの持つこれらの特徴はそのまま受け継ぎながら、ゲインレンジをローゲイン向けに限定し、さらに全体の操作性のバランスを取りました。
例えば、Cranberry OverDriveとSRODは同程度のレベルブーストが可能ですが、Cranberry OverDriveはクリーンから軽い歪みのブーストに特化しているため、実際に音を出せばSRODよりもクリアでラウドなブーストが可能です。
Cranberry OverDriveをメインの歪みとして使うことはもちろん、ハイゲインアンプ等と組み合わせ、アンプをプッシュするペダルとしても最適です。適度なコンプレッションを掛けながらラウドかつクリア、超高解像度のアンプブーストは、ハイゲインなアンプを使ってリードトーンを作る際には不可欠です。Cranberry OverDriveの適度なコンプレッション、高い操作性、早いレスポンスは、ブルースやフュージョンからヘヴィロック、メタル、ジェントまで、どんなジャンルでも極上のリードブースターとして機能します。
もちろん、オリジナルSRODでも好評だった、様々なアンプやスピーカー、ピックアップの組み合わせに合わせて設定できるLow Cutトリムポットも健在。Trebleコントロールと組み合わせることで自在にサウンドのバランスを調整できます。スタンダードなオーバードライブとしてのSRODとはまた違ったスタイルへと昇華しながら、どんなジャンルでも使えるオーバードライブペダルとして新たなアプローチを探る、それがCranberry OverDriveなのです。
Cranberry OverDrive(CBOD)は、私自身も大好きな“ローゲインバージョン”だ。ローゲインサウンドはペダルの本質が見える。CBODはペダルボードのどこに設置しても良いだろう。EQやアンプをブーストしたいならCBODを試してみて欲しい。
───Bjorn Juhl
解説
デモの内容について解説していきます。
今回の製品はSRODの派生版という事で、2014年に制作したSRODのデモ動画を踏襲した内容にしています。
このレビューの下の方にSRODの動画も置いておきますので、そちらも参考にしてみてください。
SROD同様にこのCBODにも、そしてハイゲイン版のLBODにも側面にLowトリマーが付いています。
この動画ではLowを真ん中にした状態を基本としています。
使用機材リスト
- ギター
- FGN NST200
- FGN EFL-FM (with DeMont PU)
- ギター・アンプ
- Koch Studiotone 40XL Head
- ベース
- FGN NJB200, One Control Crimson Red Bass Preamp & Lemon Yellow Compressor
- Treble
- 12 (時方向)
- Volume
- 1
- Drive
- 12
- Low
- Center
- Treble
- 2
- Volume
- 2
- Drive
- 10
- Low
- Center
- Treble
- 7
- Volume
- 1
- Drive
- 1
- Low
- Center
- Treble
- 9
- Volume
- 2
- Drive
- 12
- Low
- Min
- Treble
- Min – Max
- Volume
- 12
- Drive
- Min – Max
- Low
- Min – Max
- Treble
- 3
- Volume
- 1
- Drive
- 5
- Low
- Max
- Treble
- 3
- Volume
- 2
- Drive
- 5
- Low
- Center
- 【定番ODの限定ハイゲイン版】One Control | Lingonberry OverDrive
- 【レビュー】One Control | Strawberry Red Over Drive
- 【最速レビュー・次世代TS】One Control | Persian Green Screamer
Basic Setting
まずはDriveとTrebleを12時にした基本的な設定です。Volumeも12時にするとオフ時より音量が下がるように感じたので、Volumeのみ1時にしています。
SRODのナチュラルな歪み方を受け継いでいますが、ローゲインを謳う通り、歪みは抑えめです。
Drive12時でシングルコイルだと軽いクランチ程度の歪みです。歪ませるというよりもファットにブーストさせる用途向きだと思います。
SROD同様のコンプ感もあり、歪みが抑えられた事でその特徴が強調されているように感じます。
Crunch Rhythm
Driveを下げ、更に軽いクランチにしてみました。
ローゲインに特化しているだけあり、クリーンからクランチの微妙な歪み具合を追い込みやすいのがこのペダルの特長だと思います。
シングルコイルの耳に痛い成分をまとめてくれるような太さを持っています。
Smooth Drive
Trebleを絞り切った設定でリードを弾きました。
Trebleは一般的なToneノブと異なり高域のエッジ感を調整するものです。この設定でもこもった感じは全くありません。
このシリーズ特有の粘り気が強調されます。
Tight Drive
側面にあるトリマー、Lowを絞り切ってみました。元々低域が豊かなペダルなので、このパートのようにネック・ピックアップを使う場合にはローカットが役立ちます。低域がすっきりしてタイトになります。ここではVolを上げてアンプをプッシュするブースター的に使いました。
LBODではシングルコイルのジャキっとした感触が強調されましたが、こちらは逆に角が取れてマイルドな感触になります。
Controls
TC Electronic Ditto Looperにフレーズを録音しておき、それを再生しながら各ノブをいじってみました。
ちなみにCBODの動画でも全く同じループを使っているので、聴き比べると2機種の違いがよくわかると思います。
他のノブに比べるとLowトリマーの効き具合は少し伝わりにくいかも知れません。アンサンブルの中での太さや抜けを調整するようなコントロールです。
Dynamic Drive
ここではギター・ボリュームへの反応性をチェックしました。まずはボリュームを5にしてクリーン・トーンで、そして後半ギター・ボリュームを10まで上げて弾いています。
Drive全開でも歪みは控えめで、柔らかい質感を保っています。
Hot Lead
Driveを最大にしてリードを弾きました。
ゲインは控えめですが、ハムバッカーで弾くと十分プッシュ感のあるリード・トーンになります。
甘さやコンプ感がありつつも、TS系と比べるとオープン。そんな歪み方です。
総評
SRODは癖が少なく扱いやすいオーバードライブでしたが、このCBODもその性格を引き継いでいます。
中低域が豊かでファットな歪み、そして程良いコンプ感が共通しています。
違いとしてはやはりローゲインにチューンナップされた事で、よりナチュラルな効果を得られる点です。
音色的な違いもあり、ハイゲイン版LBODではエッジが強調されますが、CBODでは逆にエッジを丸める効果を感じます。
その感触はHoney Bee Overdriveに通じるものを感じました。BJFE的なダークな響きを持っていると思います。
このペダル単体でクリーンなアンプを歪ませるにはゲインが低いので、ある程度歪んだアンプをプッシュしたり、他の歪みペダルと組み合わせたブースター的な使い方が向いているでしょう。
ローゲインに特化した事で歪み度合いの微調整がしやすくなっています。
自然な太さを加えるオーバードライブ/ブースターをお探しの方に特におすすめします。
今回弾き比べて改めて感じましたが、SRODはやはり良く出来たペダルだと思います。
このシリーズ3部作、是非試してみてください。