パット・メセニー風ギターシンセ | PODとVariaxを活用したライブ用音作り #3/4
- 2012-06-01 (金)
POD HD500とVariaxを活用したライブ
全4回に渡って、ライブ映像を題材にした音作りを紹介しています。
- 前回までの記事:
- #1 特殊アコースティックサウンド
- #2 隠し技を使ったクリーントーン
題材の動画は、好評をいただいている “POD HD500 Live Sound | Beat Of Variax” です。
Line 6 POD HD500とVariax 500を使用してアコースティック、ギター・シンセ、クリーン・トーン、ディストーション、その他特殊エフェクトなど様々な音色を鳴らしています。
更にPODのルーパー機能を活用して、演奏をループ&ダビングしています。
PCでこの動画をご覧いただくと、操作状況などが画面上に表示されますので参考にしていただければ幸いです。
この演奏で使用したPODのパッチ(音色のデータ)は4つです。
この4つのパッチはCustomtoneからダウンロード出来ます。下記のリンクからどうぞ。
4回に分けて、それぞれのパッチの設定を紹介しています。
今回は3つめのパッチを紹介します。
#3 パット・メセニー風ギターシンセ
- Tone Name :
- Lead Synth
- Amp Model :
- Blackface Dbl Vib (Fender Twin Reverb Vibrato CH)
- Variax Guitar Model :
- Les Paul Standard | Bridge Position
- Routing :
- Synth-O-Matic > Smart Harmony > Amp > Mixer > Stereo Delay > Plate
- Customtone URL :
- http://jp.line6.com/customtone/tone/219221/
Amp Parameters
- Drive
- 33%
- Bass
- 21%
- Mid
- 81%
- Treble
- 81%
- Pres
- 81%
- CH Vol
- 75%
- E.R.
- 12%
- Cab Model
- 2×12 Blackface Dbl
- Mic
- 57 On Axis
Effects
Synth-O-Matic (FX Type : Filter)
- FootSwitch
- FS1
- Wave
- 4
- Freq
- 85%
- Q
- 5%
- Pitch
- 100%
- Mix
- 100%
Smart Harmony (FX Type : Pitch)
- FootSwitch
- FS2
- Key
- B
- Scale
- Minor
- Shift
- 8th
- Mix
- 60%
Stereo Delay (FX Type : Delay)
- FootSwitch
- FS4
- Sync Left
- 1/4
- Sync Right
- 8th (dot)
- L-FDBK
- 20%
- R-FDBK
- 40%
- Mix
- 50%
Plate (FX Type : Reverb)
- Decay
- 50%
- Pre Delay
- 100ms
- Tone
- 77%
- Mix
- 10%
またまた変わったセッティングです。ここではエフェクトにギター・シンセサイザーを使っています。
パット・メセニー (Pat Metheny) にインスパイアされて作成した、ホーン風シンセ・サウンドです。
ギター・シンセと相性の良いギターとアンプのモデリングを色々試した結果、Variaxではレスポール、PODではツイン・リヴァーブを採用しました。
主要エフェクトはなんといってもギター・シンセの”Synth-O-Matic“です。
POD HD500には複数のギター・シンセ・エフェクトがありますが、最もリード・プレイに向いているように感じたのでこのエフェクトを選びました。
簡単に説明すると、これはギターからの信号をシンセ音に変換するものです。
8種類の波形を選べますが、最もホーン的な“4”を選びました。
このエフェクトは単音に反応するものです。複数の音が鳴った場合には上手く音程を拾ってくれないので、無駄な音が鳴らないように演奏する必要があります。
(複音を弾いた際には予期しない音程が鳴ってノイジーな効果が得られるので、敢えてその効果を狙う場合もあります)
更に音を際立たせたい時の為に”Smart Harmony“を用意しています。
これをオンにすると、1オクターブ上の音が加わってより派手な音色になります。
“Smart Harmony“はEventide H3000を基にしたハーモナイザーで、指定したスケールに沿ってハーモニーを付けるエフェクトです。
1オクターブ上の音を足すだけなら他のエフェクトを使う選択肢もあるのですが、ある意味贅沢にこのエフェクトを使ってみました。
スケールを指定して3度上などのハモリを加えるのも楽しいです。
ディレイには”Stereo Delay“、リヴァーブには”Plate“を選びました。この2つはかけっぱなしです。
ギター・シンセは色物的なエフェクトとして扱われる事が多いですが、演奏次第ではパット・メセニーのようにエモーショナルに鳴らせる可能性があるものだと思います。一風変わったアプローチがお好きな方は是非試してみてください。
尚、この記事のタイトルにあるようにあくまでも「パット・メセニー“風”」トーンで、彼のサウンドを再現したものではありません。
さて次回は、全4回に渡るこのシリーズを締めくくる「王道のヴィンテージ・ハイゲイン・サウンド」を紹介します。
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