【レビュー】One Control | Hooker’s Green Bass Machine
- 2014-11-25 (火)
One Control初のベース用OD
One Controlが初のベース用オーバードライブ“Hooker’s Green Bass Machine” (以下”HGB“)を発表しました。
発売前のサンプルを使わせていただける機会を得て、デモを制作しました。
ベース用エフェクターなので本来ならばベースを使ったデモを制作すべきなのでしょうが、
BJFE, Mad Professor, Bearfootでお馴染みのBjorn Juhl設計とあってはギタリストにとっても非常に興味深いアイテムな訳で。
ギター用としても十分に使えるものでしたので、あくまでもギタリストとしてレビューします。
ベースに近い音域での効果も狙うべく、今回は7弦ギターを使用しました。
それでは動画を是非ご覧くださいませ!
One Control | Hooker’s Green Bass Machine [for Guitar]
- Music / Movie / Cast
- cloudchair
- Cinematography
- Yusuke Maehara
- Cinematography Advisor
- Yawara Inafuku (+CLEAR+)
- Supported by
- MUSICLAND KEY
- Shot at
- YouTube Space Tokyo
デモの設定とレビュー
上記デモ映像で使った機材は、アンプがFender Twin Reverb。
ギターはSCHECTER HELLRAISER C-7。
この7弦ギターはミュージックランドKEYのご協力を得て使わせていただきました。
1音下げチューニングにしていますので、最低音は通常のベースの3弦開放と同じAになります。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting
- Treble
- 12 (時方向)
- Vol
- 12
- Drive
- 12
- Low (Trim)
- Min (Default)
さすがベース用ODと謳うだけあり、低域が張り出してきます。
質感が図太く音圧があります。チューブアンプ的な厚みを感じます。
まずは(当然ながら)ベースラインを弾いてみます。クリーンな設定のギター・アンプで、スピーカー2発ながらも十分な音圧です。
続いてリードを弾いてみます。
低い音域ではベース的な太さを感じますが、使う音域が高くなるとギター的な歪みとして違和感の無いトーンになります。
具体的には、巻弦がプレーン弦かで印象が変わります。
同じOne ControlのStrawberry Red Overdriveの歪みと共通するような音のハリを感じました。
タッチのニュアンスもよく出ますし、ギター用ODとしても十分に使えるものです。
Low : Max [for Kick]
- Treble
- 3
- Vol
- 5
- Drive
- 9
- Low
- Max
いきなり裏技的なアプローチですが、なかなか使えるやり方だったので活用してみました。
実はこのデモでは所謂キック(バスドラム)を使っていません。
キックに聴こえる音は全て低音弦を叩いて鳴らしています。
それくらい低域を出せるペダルだという事です。
HGBの側面にトリムポット”Low”があります。デフォルトでは最小になっています。
その状態でも十分に低域が出ているのですが、更にローエンドが欲しい場合には”Low”を上げていきます。
ここでは最大にしてみました。
説明しないと弦楽器の音には聴こえないのではないでしょうか。
Clean Boost
- Treble
- 2
- Vol
- 12
- Drive
- 7
- Low
- Min
Driveを絞り切った設定です。この状態でもごく軽く歪んでいます。
チューブ的なあたたかさと太さが加わり、ヴィンテージ風なやわらかい質感のトーンになります。
程良いコンプ感があると思います。
Light Drive [for Slap]
- Treble
- 12
- Vol
- 3
- Drive
- 9
- Low
- 1
軽く歪ませてスラップしてみました。
Lowを若干上げて重さを出しています。
個人的にスラップで弾く事はほとんど無いので不慣れなのですが、それでも中々前に出てくる音色だと思います。
Smooth Lead
- Treble
- 7
- Vol
- 3
- Drive
- 3
- Low
- Min
Trebleを絞り切り、歪みを上げてリードを弾きました。
Trebleは微調整用に最適化していて、極端な効き方はしません。
絞り切ってもコモッたトーンにはなりません。
所謂BJF的な、ダークな響きを感じます。
Heavy Drive
- Treble
- 5
- Vol
- 12
- Drive
- 5
- Low
- 3
TrebleとDriveを上げきって歪ませました。
ディストーション / ファズの領域に近い、強い歪みを演出出来ます。
低域を損なわずに激しく歪ませたい場合に有効です。
Hot Lead
- Treble
- 3
- Vol
- 3
- Drive
- 5
- Low
- Min
ハイゲインのリード設定です。
「ギター用の歪みとしても十分に使える」という事に納得いただけるトーンではないでしょうか。
硬質なディストーションという感じです。
One Control Hooker’s Green Bass Machineは、ベーシストが求めるベースアンプの特性、音色だけでなく深みのあるフィーリングまでを小さな筐体に収めました。
多くのライブハウスやスタジオなどで使われているモダンなベーストランジスタアンプを使い、ベースチューブアンプやオールドトランジスタアンプの持つ音やフィーリングを得られます。そのままHooker’s Green Bass MachineをOFFにすれば、もちろんモダントランジスタアンプの音になります。
現代のベーシストが実践で最も触れる機会の多いモダンベーストランジスタアンプと、この小さなHooker’s Green BassMachineを組み合わせれば、多くのベーシストが求めるベースアンプサウンドが網羅できるのです。
Hooker’s Green Bass Machineはベースチューブアンプに匹敵する広いダイナミクスレンジで、ベーシストの指先の表現を逃しません。クリーンと歪みのパーシャルな領域もスムースに移行し、強く歪めばオールドトランジスタアンプの華やかで安定したコンプレッションの音色となるため、意のままにベースを操ることができます。
指弾きならば絶妙なタッチを逃さず、ブルースやフュージョンからハードロック、メタルまで、グルーヴを的確に表現します。鋭くなりすぎないアタックと粒立ちの良さは、ピック弾きでの疾走感にもたつきを残しません。スラップをすれば、サムピングではパーカッシブな音の塊が飛び出し、プリングした音は安定して伸びます。
思いのままに歪みをコントロールできることは、余計な力を抜いた快適なプレイングへとつながります。
さらに多弦ベースを使用するヘヴィな楽曲には、サイドのLow トリムポットが力を発揮します。Hooker’s Green BassMachineは十分なローエンドを持っていますが、それでもローエンドが不足する際にはトリムポットを回してみてください。
Hooker’s Green Bass MachineのTREBLEノブは、あえて調整幅を狭くし、微調整の効くよう設定しています。多くのライブハウスやスタジオに置かれているモダンなベースアンプには強力なEQが装備されており、基本となるベースサウンドはそこで作ります。ベースオーバードライブに必要なことは、アンプ側のEQでは調整しきれない感覚的な部分の微調整です。●ギター用オーバードライブとして
Hooker’s Green Bass Machineは、元々ベース用のオーバードライブとして設計されていますが、ギターでの使用も効果的です。
広いダイナミクスレンジはベースだけでなくギターの帯域も完全にカバーし、極上のコンプレッサーをかけたようなクリーンサウンドから、厚みのあるミディアムオーバードライブサウンドにまで対応します。ハイレスポンスで、ギターのVolumeコントロールで歪みを調整できる高い表現力は、多くのギター用オーバードライブを超えた境地であり、レスポンスだけを見れば、最上級のレスポンスを持つOne Control Strawberry Red OverdriveやAnodized Brown Distortionと比べても全くひけをとりません。
Hooker’s Green Bass Machineをギター用オーバードライブとして使うと、“BJFカラー”の強い、独特の立体感を持つダークなヨーロピアンテイストの音色となります。
多弦ベースにも対応する周波数レンジは、ギターのローダウンチューニングや7弦、8弦、9弦といったモダンな多弦ギターにも完全に対応できます。Hooker’s Green Bass Machine(HGB)は、1950年代以降であればどんなジャンルにも使えるベースマシンだ。特にDRIVEをフルアップにした時のイメージはMotorheadのレミーのベースだ。
さらに、ギターとトランジスタアンプ、チューブアンプの両方でもテストしたが、どんなギターアンプ、ピックアップとも相性が良かった。裏技として使ってみても良いだろう。
───Bjorn Juhl
ナインボルト | One Control Hooker’s Green Bass Machine
MUSICLAND KEY | SCHECTER HELLRAISER C-7 HR BLK
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