【くまファズ】KMA Machines | Fuzzly Bear & Minos

  • 2016-04-25 (月)

KMA Audio Machines

ドイツ発|ヴィンテージ・ファズにモダンな改良を加えた2機種

ドイツのハンドメイド・エフェクター・ブランドKMA Audio Machines
彼等から送られてきたファズ2機種を紹介します。
まずは私の制作した動画をご覧ください。

KMA Audio Machines | Fuzzly Bear [Silicium Fuzz]

KMA Audio Machines | Minos [Germanium Fuzz]

Music / Movie / Cast
Jake Cloudchair
Thanks to
ミュージックランドKEY
OKADA International Inc.
Fujigen
PURUS Picks

それでは動画を参考にしながらペダルについて解説していきます。
まず、デモで使用した機材は下記リストの通りです。

ギター
Xotic XS-2
アンプ
Suhr CORSO
Koch Dummybox Studio/PA

シリコン・ファズ”Fuzzly Bear”

KMA Audio Machines Fuzzly Bear

強烈なインパクトのデザインが目を引きます。ペダルをオンにすると熊の目が光るのが良いですね。
動画では同じデザインのTシャツを着ていますが、普段はなかなか着れません。
ちなみにブランド名の「KMA」とはドイツの地名を略したものですが、こんなペダルを出されたら日本人としては「くま」と呼びたくなります。

さてこの「くまファズ」Fuzzly Bearは、1970年代のJordan Bosstoneというファズに影響を受けて開発されたとの事です。
オリジナルBosstoneは低域が足りないのでそれを補正しつつ、SKIN/MEATという独特な名称のバイアス・コントロールが加えられています。

Basic Setting

VOL
3 (時方向)
SKIN/MEAT
12
GAIN
12

まずはSKIN/MEATとGAINを12時にした基本的な設定です。出力が若干低く感じたのでVOLのみ3時に上げています。
重さや粘りを感じるファズ・トーンですね。
単音で高音域を弾く時などに、若干オクターブ下の音が混ざっているのがおわかりいただけるでしょうか。
ルックス通りの荒々しいトーンです。


Crunch Setting

VOL
3
SKIN/MEAT
7
GAIN
9

SKIN/MEATを絞り切り、GAINも低めにした設定です。
抑えめの設定ではオーバードライブ的な、ナチュラルともいえるトーンになります。
先程の設定とは異なりタイトな感触があり、リフを歯切れ良く弾けます。
ニュアンスも出せますし、幅広く使えそうなトーンです。


Maximum Setting

VOL
5
SKIN/MEAT
5
GAIN
5

最後に、全てのツマミを全開にしました。GAINをフルにするとゲート・ファズ的な効果になるとの事です。
まずはギターのボリュームを3に絞り、ネック・ピックアップで弾いています。その後ボリュームを10に上げ、最後はブリッジ・ピックアップに切り替えています。
ギターのボリュームを下げると、クリーンとまではいきませんが分離感のあるくらいまでは歪みを抑える事が出来ます。なんといってもオクターブ下の音がはっきり混ざってくるのが個性的ですね。

ギターのボリュームを上げると強烈な飽和感の、分厚いファズ・トーンへ変化します。暑苦しいくらいの音圧を持っています。
低域も豊かですし、ベースに使っても良いのではと思います。
実際ベースに使用した動画もありますので、興味のある方はそちらもご参考にしてみてください。


ゲルマニウム・ファズ”Minos”

KMA Audio Machines Minos

続いてはゲルマニウム・ファズMinosです。
こちらはトーンベンダーMK2Univox Super Fuzzをベースに、モダンな改良を加えたモデルです。

ANGERというこれまた独特な名称のノブがありますね。
INPUTでプリゲインを調整し、ANGERで歪みの強さを決めるという2段階のゲイン調節で音作りをします。
CUTはローパスフィルターによるハイカット、3ウェイのBASS SWITCHは低域のレスポンスを変えるものです。
幅広い音作りに対応出来る仕様になっています。

Basic Setting

INPUT
12
ANGER
12
OUTPUT
5
CUT
Off
BASS
I

まずは基本的と思われる設定です。
粗過ぎず程良い粒の歪み方です。固めの音色で、明るく抜けが良い感じですね。そしてニュアンスが良く出ます。
動画ではFuzzly Bearとほぼ同じフレーズを弾いていますが、Minosの方がタッチを重視した演奏になっています。
音色が演奏に与える影響を感じていただけるのではないでしょうか。


Crunch Setting

INPUT
2
ANGER
7
OUTPUT
12
CUT
On
BASS
II

ANGERを絞り切ったゲイン抑えめの設定です。
CUTをオンにしてハイカットし、BASSはモードIIにしました。
先程は固めに感じた音色が、中低域寄りにフォーカスされて甘い質感になりました。
粒が粗めのオーバードライブという感じもします。ヴィンテージ的でマイルドな歪みです。


Dynamic Setting

INPUT
3
ANGER
3
OUTPUT
3
CUT
Off
BASS
III

全てのノブを3にしました。CUTはオフに、BASSは最も低域寄りのモードIIIです。
Fuzzly Bearの動画同様、まずはギターのボリュームを3に絞ってネック・ピックアップで弾き、その後ボリュームを10に上げ、最後はブリッジ・ピックアップに切り替えています。
Minosはギターのボリュームを下げればクリーン・トーンといえるくらいまで歪みを落とせます。設定次第では鈴鳴り感のあるトーンにも出来ます。
歪みを上げるとオールドスクールな図太いファズの質感になります。それでいてある程度タッチのニュアンスも出せる反応性を保っています。

使えるポイントの多いファズだと思います。


総評

2 fuzz pedals movies will be coming today🎥

A photo posted by Jake Cloudchair (@cloudchair) on

どちらのペダルもヴィンテージ・ファズをベースとしながらもモダンな完成度を持っています。
使いやすさを考えつつ、派手な要素はちゃんと残してある辺りにKMA独自のバランス感覚を感じます。
そしてゲインの高さの割にノイズを低く抑えているのが実用的です。どちらもお薦めしたいファズですね。

さて今回紹介したKMA Audio Machinesですが、日本での代理店がないため国内発売未定です。
ご興味を持たれた方は是非お気軽に私へご連絡くださいませ。

メール・フォーム
http://www.cloudchair.net/contact/

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