【定番ODの限定ハイゲイン版】One Control | Lingonberry OverDrive
- 2017-01-15 (日)
歪みが増しブライトにチューンナップ
One ControlのオーバードライブStrawberry Red Over Drive (以下SROD、レビューはこちら)。
ナチュラルで太いトーンを持つ上質なペダルです。このSRODの派生バージョンとしてハイゲイン版とローゲイン版の2機種が限定販売されます。
まずは1月中旬にハイゲイン版のLingonberry OverDrive (以下LBOD)が、そして下旬にローゲイン版Cranberry OverDrive (以下CBOD)が販売予定です。
今回はハイゲイン版のLBODをレビューします。
まずは、既に好評をいただいているデモ動画を是非ご覧ください。
One Control | Lingonberry OverDrive [Designed by BJF]
Credit
- Music / Movie / Cast
- Jake Cloudchair
- Thanks to
- Fujigen
- OKADA International Inc.
- Garret Works
2014年、One Controlが自信を持って発売したオリジナルオーバードライブ、“Strawberry Red Over Drive”(SROD)。
この赤くて小さなオーバードライブは、数々の伝説、名機が居並ぶオーバードライブの中で、既に定番と呼ばれ、多くの伝説と肩を並べる存在となりました。
あらゆるジャンルのあらゆるギタリストが求めるオーバードライブを目指して開発を行い、誕生したSRODは、実際にジャンルや年代を超え、世界のギタリストから高い支持をいただいています。One Control Lingonberry OverDriveは、より激しいドライブサウンドを求めるプレイヤーのためのオーバードライブです。限定生産モデルです。
もともと、SRODは十分に高いゲインレベルを設定することが出来ます。オーバードライブの領域を超え、ディストーションへ踏み込めるペダルです。
しかし、SRODはその獰猛さよりもナチュラルでハイレスポンスなオーバードライブとして語られています。これはBJFによる絶妙なチューニングの賜物です。
Lingonberry OverDriveは、BJFによってSRODの持つ獰猛さ、激しさを前面に出すようなチューニングが施されています。
単にゲインを上げてよく歪むようにした、という簡単なものではありません。Lingonberry OverDriveのチューニングのポイントは、“歪みやコンプレッションを得るために必要なシグナルを減らした”というBJFの言葉に集約されています。・ギターサウンドの核となる部分を刺激するペダルである
・どんなギター、アンプにつないでも、常にギタリストが欲しい音を出力する
・ギターやアンプ、エフェクターなど、他の機材の持つ特性を最大限に活かす
・完全なクリーンから強い歪みまでをカバーする
・プレイヤーが手元で行った表現を余すこと無く拾い上げる
・その上で、細かな音色調整ができるSRODの持つこれらの特徴を壊すことは無く、またサウンドそのものが上質のギターアンプに共通する特性を持っていることも変わりはありません。
変わったのは、歪みに到達するまでに必要なシグナルレベル。レスポンスの高さはそのままに、歪み始めるレベルを下げることでより強い歪みが簡単に得られるようになりました。そして、その強くなった歪みに合わせ、トレブルの特性を新たにし、さらにローエンドの迫力も高めました。クリーンなバッキングから一気にスムースなリードトーンへと移行することができます。
もちろん、オリジナルSRODでも好評だった、様々なアンプやスピーカー、ピックアップの組み合わせに合わせて設定できるLow Cutトリムポットも健在。Trebleコントロールと組み合わせることで自在にサウンドのバランスを調整できます。
BJF独自のチューニングにより、Lingonberry OverDriveはブースター等を組み合わせる等の方法では得られなかった、ナチュラルでスムースにSRODの歪みを強めることをなし得たのです。Lingonberry OverDrive(LBOD)は、特に高いゲインや派手なサウンドを望むプレイヤーのためのチューニングだ。良いアンプ、特にブライトなロックマシンを必要とするプレイヤーにとってのチケットとなるだろう。
───Bjorn Juhl
解説
デモの内容について解説していきます。
今回の製品はSRODの派生版という事で、2014年に制作したSRODのデモ動画を踏襲した内容にしています。
このレビューの下の方にSRODの動画も置いておきますので、そちらも参考にしてみてください。
SROD同様にこのLBODにも、そしてローゲイン版のCBODにも側面にLowトリマーが付いています。
この動画ではLowを真ん中にした状態を基本としています。
使用機材リスト
- ギター
- FGN NST200
- FGN EFL-FM (with DeMont PU)
- ギター・アンプ
- Koch Studiotone 40XL Head
- ベース
- FGN NJB200, One Control Crimson Red Bass Preamp & Lemon Yellow Compressor
- Treble
- 12 (時方向)
- Volume
- 12
- Drive
- 12
- Low
- Center
- Treble
- 12
- Volume
- 12
- Drive
- 8
- Low
- Center
- Treble
- 7
- Volume
- 12
- Drive
- 10
- Low
- Center
- Treble
- 9
- Volume
- 12
- Drive
- 10
- Low
- Min
- Treble
- Min – Max
- Volume
- 12
- Drive
- Min – Max
- Low
- Min – Max
- Treble
- 3
- Volume
- 12
- Drive
- 2
- Low
- Max
- Treble
- 3
- Volume
- 1
- Drive
- 5
- Low
- Center
- 【レビュー】One Control | Strawberry Red Over Drive
- 【最速レビュー・次世代TS】One Control | Persian Green Screamer
- 【4週連続レビュー#4】One Control Purple Plexifier
Basic Setting
まずは全てのノブを12時にした設定です。
明らかにSRODよりゲインが高くなっています。SRODでいうとDriveが3時くらいの歪みの強さです。
そしてトレブルが強めの音色になっています。SRODに比べると太さが抑えられ、鋭さや派手さを感じるソリッドでタイトなトーンです。
Crunch Rhythm
Driveを8時に下げたクランチです。
SRODでクランチにすると歯切れを良くする為にTrebleを上げたくなるのですが、このLBODは元々高域寄りのトーンなのでTreble12時でちょうど良い感じです。
Smooth Drive
Trebleを絞り切った設定でリードを弾きました。
Trebleは一般的なToneノブと異なり高域のエッジ感を調整するものです。この設定でもこもった感じは全く無く、明るさを感じる音色です。
SRODとCBODにも共通する粘り気のあるトーンです。
Tight Drive
側面にあるLowトリマーを絞り切ってみました。
元々低域が豊かなペダルなので、このパートのようにネック・ピックアップを使う場合にはローカットすると効果的です。
SRODやCBODと比べると、LBODは特にシングルコイルのジャキジャキ感が際立ちます。
Controls
TC Electronic Ditto Looperにフレーズを録音しておき、それを再生しながら各ノブをいじってみました。
ちなみにCBODの動画でも全く同じフレーズを使っています。2機種の違いがよくわかると思います。
他のノブに比べるとLowの効き具合は少し伝わりにくいかも知れません。アンサンブルの中での太さや抜けを調整するようなコントロールです。
Dynamic Drive
ここではギター・ボリュームへの反応性をチェックしました。
まずギター・ボリュームを3に下げてクリーン・トーンで弾いています。後半はギター・ボリュームを10まで上げてエッジのある歪みへ変化させています。
強めに歪ませた設定ですが、手元の操作でクリーン・トーンに出来ます。
Lowは最大にしました。シングルコイルに低域の太さを加えます。
Hot Lead
Driveを最大にしてリードを弾きました。
SRODのデモでは前段にブースターを繋いでゲインを上げたのですが、LBODでは単体で同じくらいの歪みを得られます。
エッジ感がありサステインも豊かでリードに向いていると思います。
総評
SRODが持つ特徴を絶妙にチューンナップして、キャラクターを継承しつつ個性を持たせたという印象です。
歪みの質感はSROD同様に太く粘りのあるトーンですが、よりブライトに調整されてタイトになりました。
コンプ感もSRODに似ているのですが、トーンが重心高めなので少しオープンで明るめに感じます。
逆にローゲイン版のCBODではよりBJFE的なダークさを感じます。
ゲイン高めのオーバードライブで太さとタイトさのバランスを求めている方は是非お試しください。
次回はローゲイン版のCranberry OverDriveをレビューします。