Mesa/Boogie Throttle Box レビュー

  • 2013-10-06 (日)

Mesa/Boogie Throttle Box

定番アンプ・ブランドが放つハイゲイン・ディストーション

Mesa/Boogieのディストーション「THROTTLE BOX」をレビューします。
同時期に販売されたMesa/Boogieの4つの歪み系エフェクターの中で、最もハイゲインなモデルとなっています。
先日レビューしたLeqtique 9/9と同様に、ハイゲイン・ディストーションを探していた時に見つけたペダルです。

デモ映像を作ってみましたので、まずはこちらをご覧になってみてください。

THROTTLE BOX™は、MESAアンプ全般に共通する温かみやオーガニックな音質を備えながらも、幅広いジャンルのロックに適した切れ味と攻撃性を持つディストーションペダルです。ハイゲインサウンドを一番の強みとしながらも、クラシックロックや唸るようなブルースに最適なローゲインサウンドを持った多様性に富んだペダルとなっています。 また、数多くのアーティスト達がへヴィーなギターサウンドを表現するのに必須としているMESAアンプならではの強力なEQ機能を再現する中域カット用のコントロールノブが付いているため、MESAの伝統的なV字のEQカーブを作り出すことも可能です。

Mesa/Boogie オフィシャルページより –

コントロール

Throttle Box Controls
Inner Boost Switch

GAIN
歪みの度合いを調節します。
LO/HIGHゲインスイッチ
ゲインの深さを選択します。
LEVEL
音量を調整します。
TONE
主に高域を調節するトーンコントロールです。
MID CUT
中域を深くカットして、キレの良いトーンに設定出来ます。
EQ BOOST
裏蓋を開けて設定する内蔵ブーストスイッチ。ONにすると低域と音圧が上がります。

ONにした途端、強烈に音が太くなります。
正にメサ/ブギーの音です。
さすが定番のアンプ・メーカーだけあって、ブランド・イメージ通りのトーンを提供してくれます。

歪みの質は、「粒が細かく・密度が濃い」Mesa/Boogieらしい歪みです。
“GAIN”を上げていくと、歪みの深さと共にエッジが立ってきます。

中低域がかなり分厚く、その分高域が抑えられています。
更に”BOOST”をONにすると、スピーカーの箱鳴りを感じさせる低域が図太く出てきます。
以上のトーンの癖により、「重心の低いディストーション」という個性を強く主張しています。

“MID CUT”を左に回し切ると中域の豊かなファットでクラシックなトーン、右に回すにつれMesa/Boogie特有の「Vトーン」と呼ばれる中域がスカっとカットされたモダンなトーンになっていきます。
なお右に振り切っても、シャリシャリの薄いトーンにはなりません。

どんな設定で弾いても、どの音域を鳴らしても常に太さを失いません。
その反面、例えばBOSS BD-2等で得られるような「高域がジャリッとした暴れる感触」はほぼありません。
潔いほどキャラクターのはっきりした歪みです。

Throttle Box

とにかくヘヴィな音色です。
ドロップBチューニング(7弦ギターと同じ低域)にして弾いてみましたが、低いチューニングとの相性も良いようです。
手持ちの歪みエフェクターをいくつか並べて比べてみたところ、低域の太さはTHROTTLE BOXがダントツでした。
特に”BOOST”をONにするとかなり低域が太くなるのですが、その分ローの歯切れが悪く感じる時もあると思います。
その場合には”BOOST”をOFFにした方がタイトで扱いやすいでしょう。

ブースターとして「既に歪ませたアンプを更にプッシュする」場合は低域が飽和しやすくなるので、
ゲインスイッチを”LO”、”BOOST”をOFFにした方が個人的に使いやすかったです。

リードで使う際には”GAIN”を高めに設定するのが気持ちいいですね。
サスティンが長く、アタックの粒が揃っているので、速弾きのソロなどはとてもスムーズに音がつながる感覚があります。
太くなめらかなリード・トーンは弾き心地も良いですね。
“GAIN”を下げてニュアンスを出す用途でも中々使えると思いました。

踏んだ瞬間に音のキャラクターを一変させるペダルです。
完全にクリーンな設定のアンプと組み合わせる事で、アンプにハイゲイン・チャンネルを追加するような感じになります。
これを使って歪みが足りないと感じる事はまず無いのではないでしょうか。

ハイクオリティなメサブギー・トーン

Throttle Box

メサ・ブギーらしい図太いハイゲイン・トーンを手軽に鳴らす」という、わかりやすく狙いの定まったディストーションです。
どんなアンプでもレクチファイヤーのような音にしてしまうくらい、強烈な個性を持っています。

Mesa/Boogie特有の歪みの質やトーンの癖を強く押し出している為、はっきり好みが分かれるエフェクターでしょう。
しかし使いどころがハマれば実に安心感のあるディストーションだと思います。
そして特筆すべきノイズの少なさや各パラメーターの絶妙な可変幅、更にはしっかりしたデザインの筐体など、総合的にクオリティの高いペダルです。

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