【音のピントを合わせるブースター】Organic Sounds “Poseidon”

  • 2021-10-08 (金)

音の豊かなバリエーションで表現をブースト

並々ならぬ拘りを持った製品づくりで知られるOrganic Soundsのブースター“Poseidon”を紹介します。
“Organic Booster”と銘打たれたこのペダルの実力を探ってみましょう。
動画を制作しましたのでまずは是非ご視聴ください。

Organic Sounds “Poseidon” 表現をブーストさせるOrganic Booster

使用機材
ギター
APⅡ MAF-8120GP
ギター・アンプ
Kemper Profiler :(使用モデル:Fender Deluxe Reverb)
ケーブル類
オヤイデ

Organic SoundsのオリジナルBooster。過剰な色付けをせず、音のピントを合わせ、解像度・スピードを上げます。機材の持つ良さだけを引き出し、ギタリストのハートをBoostさせます。Vintageニュアンスを持ったナチュラルなサウンドで、ギターのボリュームへの追従性も良く、豊かなサウンドバリエーションを持ちます。

公式ページより

レビュー

コントロールは”Volume”と”Tone”のシンプルな2ノブ仕様。”Volume”を原音と同程度の音量、”Tone”を12時方向に設定すると、音圧感は変わらないのですが輪郭がくっきりと際立ちます。高域の抜けが良くなり、同時に低域のブーミーな帯域が整理されたすっきりとしたトーンが得られます。アタックがよりクリアに感じられるようになり、細かいニュアンスの表現も聴こえやすくなります。このように、公式で謳われている「音のピントを合わせ、解像度・スピードを上げる」効果がすぐに感じられます。

“Tone”は音の明るさや硬さに影響を与えるパラメーターで、変化がわかりやすく最小から最大まで使えるポイントも多いです。一般的なトーン・ノブと同じ感覚で扱えるんですが、その効き具合がちょうど良いというか、プレイヤーの要求を「わかっている」音楽的な効き方なのです。最小ではアタックや倍音を抑え太く落ち着いた質感に、最大では弦の金属的な響きを強調した明るく鋭いトーンへと変化します。

“Volume”はその名の通り音量調節で、全帯域がリニアにと言うよりは中域を主にしたギターの美味しい成分が持ち上がるような印象を受けます。特に低域のもたつきがちな帯域は適度に抑えられてタイトに仕上がります。この低域の落とし方/残し加減も絶妙で「わかってるな」と思わせるポイントです。

“Volume”最大でアンプをプッシュしていても、ギター・ヴォリュームを下げればゲインを落としてクリーンに出来ます。ギター・ヴォリューム=2くらいでも使えるクリーン・トーンになり、ファズ・フェイスを思わせる鈴鳴り感を出す事も出来て、手元の調節による歪み具合のバリエーションを増やせます。

“Volume”はユニティ・ゲインが13時前後となっており、ブーストのみならずカット方向にも効く仕様です。アンプや後段に繋いだ歪み系ペダルのゲインを下げる使い方も出来、その際にも”Tone”を併用して例えば「歪みを減らして高域を上げる」という引き算の音作りも可能です。

“Poseidon”はヘッドルームが広く、前段までの機材の音をそのまま受け入れるような印象があるので、他の歪み系ペダルと組み合わせるなら後段に配置するのが私の好みです。オーバードライブやファズで歪ませたトーンの音量/音圧を更に上げつつ音色の微調整が行えます。勿論歪み系ペダルの前段に置いてゲインを稼ぐ方法でも使えますし、常時オンで音作りの根幹を担わせるのも良いでしょう。

今回はオーバードライブに“Zeus”、ファズに“Kerberos”とOrganic Soundsのオリジナル・ペダルで揃えました。実はどの機種も今回の動画制作にあたって初めて弾いたのですが、どれも良くて気に入りました。収録が終わった今も、この3つのペダルは普段ギターを弾く際の足下に並んでいます。全て電池駆動出来る点も良いですね。

外観も魅力のひとつです。オリジナルの筐体は鮮やかなターコイズに彩られ、シルバーで描かれた繊細なイラストが映えます。高級感のある仕上がりでペダルボードを華やかにしてくれるでしょう。写真は撮ってませんが外箱も高級オーディオ製品を思わせる作りで満足度が高いです。

という事で非常に完成度が高く、味わい深さもあるブースターです。私は音を出してすぐに気に入りました。音が一皮剝けるような効果を持つクリーン・ブースターやプリアンプが好きな方には特にお薦めします。


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