【最速レビュー・次世代TS】One Control | Persian Green Screamer
- 2014-11-28 (金)
BJFによる”次世代のTS”
One Controlの新作をレビューします。
同ブランドは初のベース用オーバードライブ”Hooker’s Green Bass Machine“を発表したばかりですが、続く最新作も「緑色のオーバードライブ」”Persian Green Screamer” (以下PGS)です。
「緑色のオーバードライブ」と聞いて連想するのはやはりTube Screamerです。
このPGSは「”TS系”回路の究極形を目指した」というモデルです。
BJFE, Mad Professor, Bearfootでお馴染みのBjorn Juhlが設計した「次世代のTS」の実力はいかに。
まずはデモ動画を是非ご覧くださいませ!
One Control | Persian Green Screamer
- Music / Movie / Cast
- cloudchair
- Cinematography by
- Yusuke Maehara
- Cinematography Advisor
- Yawara Inafuku (+CLEAR+)
- Shot at
- YouTube Space Tokyo
デモの設定とレビュー
上記デモ映像で使った機材は、アンプがFender Twin Reverb。
ギターはLine 6 JTV-69 (James Tyler Variax)。
このギターの特徴であるモデリング機能は使用せず、通常のピックアップのみで弾いています。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting [Vintage]
- Tone
- 12 (時方向)
- Level
- 12
- Drive
- 12
- Mode (Switch)
- Vintage
まずは全てのノブを12時にしました。
正にTS的な甘いトーンです。中域がふくよかで、アタックが丸く心地良いです。
高域の抜けの良さがあるので、TS独特のこもった感じはありません。
TSトーンを求める人には安心の音色だと思います。
PGSの側面にはスライド式のModeスイッチがあります。
VintageとModernの2モードを切り替えられ、ミニサイズながらトーンのバリエーションを持っています。
まずはVintageモードで弾いてみました。
Basic Setting [Modern]
- Tone
- 12
- Level
- 12
- Drive
- 12
- Mode
- Modern
続いてModeをModernに変えてみます。
まず大きな違いとしてヘッドルームが広がりゲインが下がります。
トランスペアレント系と言えるタイプです。
原音のキャラクターを変えず、まろやかなコンプ感を味付けします。
かけっぱなしで使えるトーンだと思います。
Clean Boost [Vintage]
- Tone
- 7
- Level
- 5
- Drive
- 7
- Mode
- Vintage
Driveを絞り切りLevelを上げきったブースターとしての設定です。
この状態ではほぼ歪まない、クリーン・ブースター的な効き方です。
トーンに太さとあたたかみが加わり前面に出てきます。
主に中域を持ち上げるブースト効果です。
Crunch Lead [Modern]
- Tone
- 2
- Level
- 2
- Drive
- 10
- Mode
- Modern
Modernモードでごく軽めのクランチ設定にしています。
Vintageモードに比べて中域のふくらみが抑えられレンジが広く感じられます。
こちらは上質なコンプレッサーのような効き方だと感じました。
ToneはVintageよりModernの方が効きが強いような気がします。
BJFらしく、使える範囲のツボを押さえています。
Crunch Rhythm [Vintage]
- Tone
- 1
- Level
- 3
- Drive
- 1
- Mode
- Vintage
Vintageモードでのクランチです。
王道のTSトーンといえる音色ではないでしょうか。
Hot Drive [Vintage]
- Tone
- 3
- Level
- 3
- Drive
- 3
- Mode
- Vintage
全てを3時に設定した強めの歪みです。
TSのなんともいえないクリーミィな粘り気がありますね。
Hot Drive [Modern]
- Tone
- 3
- Level
- 12
- Drive
- 5
- Mode
- Modern
ModernモードでDriveを最大にしました。
TS系ながらワイドレンジで抜けの良いトーンです。
TSを作る。
この命題はBJFと開発をともにするようになってすぐに私たちの頭の中に漫然と思い浮かんでいました。
さあ、次世代スタンダードが始まります。One Control Persian Green Screamerは、“TS系”回路の究極形を目指しました。
One Controlの考える“TS系”は、まずヴィンテージオリジナルのサウンドを作ることが出来ること、そして同時に本格的でモダンなオーバードライブであることです。
Persian Green Screamerは、極低ノイズを実現するため、One Controlオリジナルのアルミ削り出しミニサイズ筐体を使い、
同時に入手が難しかったり高価なコンポーネンツは使用しません。世界中どこでも入手できるスタンダードエフェクトであるためです。これはオリジナルヴィンテージと同じ土俵で開発をすることになります。また、今までの“TS系”とは違う、“TS系”の究極形であるためには、これまでの手法を真似るだけでは不可能です。だからこそ、BJFの回路が生きるのです。Persian Green Screamerは、ヴィンテージTSサウンドを作ることのできるペダルであると当時に、モダンなオーバードライブでもある必要があります。
そのため、側面に1つスイッチを設けました。Vintage/Modernの2つのモードを切替えることで、相反する要素を妥協すること無く満たすことができます。Vintageモードでは、特に“TS-808”表記のラージケースが持つ、なんとも言えない美しい歪みを作ります。クリーミーで暖かく、立体的な音色です。
ダイナミックレンジはそれほど広くありませんし、ミッドレンジは強く押し出されます。
なのにバランスが良く、俗に“鼻づまり”と称されるような圧迫感はありません。
さらに、OVERDRIVE最小、LEVEL最大の“ブーストセッティング”のサウンドをも手中に収めました。
そしてそのコントロールレンジを広げ、いわば“OVERDRIVEが-2。、LEVELが12”のようなセッティングにまで手が届きます。Modernモードでは、完全なクリーンブーストも可能な“トランスペアレント”オーバードライブへと変貌を遂げます。
ギターとアンプのサウンドを大きく変えること無く、そこに活を入れる。
プリアンプやコンプレッサーのように使うことも出来るオーバードライブです。
ゲインはギターのVolumeノブやピッキングの強弱で簡単に変えることが出来ます。
ワイドレンジでハイレスポンス。ギタートーンに軽い厚みを加える、“常時ON”のドライブとしても有効です。完全なまでのヴィンテージTSサウンドと、モダンでオープンなトランスペアレントドライブがスライドスイッチ1つで切替えられる。
これこそ、かつて世界が“TS系”に夢を見たオーバードライブではないでしょうか。
それをいとも簡単に実現させてしまう。まさに“BJFマジック”です。One Control Persian Green Screamerは、“TS系”に与えられた命題にまっこうから挑み、完成したペダルなのです。
Persian Green Screamer(PGS)の完成版が届き、早速音にうるさいプロギタリスト達を呼んでテストを行った。私の所有する様々なヴィンテージTSとも比べながらね。
PGSのVintageモードはシングルコイルやP-90ならそのまま完璧なヴィンテージの音が出せる。ハムバッカーや高出力ピックアップだと少し違うが、Granith Grey Booster(GGB)を前に置いてみるとヴィンテージの音になる。GGBで強すぎる出力を抑えるのがポイントだ。
Modernモードはどんなギターにもマッチする。シングルコイルだろうと大出力なギターだろうと。ヴィンテージTSの音が突然オープンで透明な音に変わったので皆驚いていたが、どちらのモードも好評を得た。
PGSには世界も驚くことになるだろう。
───Bjorn Juhl
ナインボルト | One Control Persian Green Screamer
関連記事
- 【レビュー】One Control | Hooker’s Green Bass Machine
- 【レビュー】One Control | Strawberry Red Over Drive
- 【新作最速レビュー】One Control | Purple Humper