POD HD500を活用したライブ映像
- 2012-02-06 (月)
ルーパーを使ったバンド演奏
YouTubeで新しい動画を公開しました。
Line 6 POD HD500とVariaxを活用したギターと、ドラム&ベースによるトリオ編成でのライブ映像です。
これは、2010年に公開して好評をいただいているソロ演奏 “Beat Of Variax” のバンド・バージョンです。
POD HD500 Live Sound | Beat Of Variax – by cloudchair trio
Line 6 POD HD500とVariaxの紹介ムービーと言っても良いくらいに、この機材を活用した内容になっています。
ギターの機材は上記の2つと、チューナーにt.c.electronic Polytuneを使っているだけです。
シンセやシーケンスのように聴こえる音もあると思いますが、それらは全てギターで鳴らしたものです。
同期やクリックも使っていません。曲中で繰り返されているフレーズにはPOD HD500のルーパーを使っています。
YouTubeで“Looper”, “Loop Station”などのキーワードで動画を探してみると、ルーパーを使った演奏がたくさん見つかります。
実際にいくつか観ていただくとわかると思いますが、その殆どが一人で演奏している動画です。
今回紹介した映像のように、バンドの中でルーパーを使った演奏はなかなか無いんじゃないでしょうか。
このライブのメンバーは以下の3人です:
- Jake : Guitar
- ハマツヨシフミ : Bass (MiD)
- dko : Drums (about tess)
PODとVariaxで様々な音を鳴らす
この演奏で使ったセッティングをざっと紹介すると以下のような感じです。
- ギター (Variaxのモデリング):
- Martin D-28 (アコースティック)
- Fender ストラトキャスター (フロント/リアPU)
- Gibson レスポール・スタンダード (リアPU)
- エフェクト (POD内蔵エフェクト):
- グラフィックEQ
- Boost Comp (コンプレッサー)
- Chrome Custom (ワウ・ペダル)
- Screamer (オーバードライブ)
- Seeker (シーク・ワウ)
- リング・モジュレーター
- Synth-O-Matic (ギター・シンセ)
- ディレイ (アナログ/デジタル/テープ・エコー)
- 等々
- アンプ (PODのモデリング):
- Fender Twin Reverb – Vibrato CH
- Marshall JTM-45 – Bright CH
上記のギター/エフェクト/アンプの設定をPOD HD500に保存して、ペダルで切り替えながら演奏しています。
POD HD500のエディター画面
この曲では音色の傾向が異なる下記4種類のパッチを作成し、使い分けました。
- アコースティック・ギター & フィルター類
- ストラト (フロントPU) & フェンダー・ツイン
- レスポール & ギター・シンセ
- ストラト (リアPU) & マーシャル
追記:
この動画での音作りについてブログに書きました。
ルーパーとバンド、両方の魅力を活かすアプローチ
ギター・アンプは使わず、POD HD500から直接PAに送っています。
こうする事で、自宅で作りこんだ音色をそのままライブで鳴らせます。
この方法のもうひとつの利点は、後述の「ルーパー」を使った時に音が濁らない事です。
ルーパー→アンプという順番で繋ぐと、ルーパーで音を重ねた時に歪んだり音抜けが悪くなったりする場合があります。
僕のセッティングではアンプ・モデリング→ルーパーという順になっています。
更にフレーズ毎に異なるアンプ・モデリングを選んで音色の帯域を変えていく事で、ループを重ねてもそれぞれのフレーズがクリアに聴こえるようにしています。
さて、その「ルーパー」についてです。
冒頭で3種類の異なる音色で弾いたフレーズを、POD HD500のルーパー機能で重ねて鳴らしています。
あらかじめテンポを決めておき、テンポに追従したディレイなどをかける事によって、よりシーケンスらしく聴こえるようにしています。
そのループに合わせてセッションしながら曲を展開させているわけです。
ループは2小節の単調なものですが、そこに絡む生演奏によって果てしないバリエーションが生まれてきます。
クリックも使わずにギター・ループに合わせてリズムをキープするのは簡単ではないと思うんですが、dko&ハマツのリズム隊はタイトかつ自由に演奏を繰り広げています。
卓越したリズム感を持ったドラマーとベーシストのおかげで、僕ものびのびとギターを弾く事が出来ました。
「あらかじめ録音しておいたループを鳴らすのと、その場でループを作るのとはどう違うのか?」
という疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れません。
実は僕自身、常にその問いを忘れないように心がけています。
もし必然性が無いのならば、事前にループを仕込んでおいた方が簡単で安心なのは間違いないのですから。
このライブに関して言えば、「リアルタイムで音が積み上がっていくのがスリリングだから」というのがその問いの答になります。
ループさせるフレーズはどのライブでも同じわけではなく演奏する度に変わったりしますし、曲の長さも、ループをどこで止めるかも、その時の気分で変わります。
この映像でも後半でループをストップし、新たに違うフレーズをループさせる場面が出てきます。
(割とすぐに気が変わって、また止めてますけどね…)
セッションとは会話のようなものだと思います。
その時々によって内容が変わるもので、演奏者自身も予想出来ない方向に進むのが楽しみのひとつです。
セッションの持つ即興性と、ミニマルなループが感じさせるクールな高揚感を両立させたいという思いから、このようなアプローチになりました。
今後この動画を素材として音作りの小技などを紹介してみたいと考えています。
ご質問などありましたらコメントやメールでご連絡いただけると嬉しいです。
ライブ情報
今回紹介した動画で共演しているドラマーdkoと僕の二人で、ギターとドラムによるライブをやります。
この動画に近いアプローチで演奏する予定なので、是非生で聴いて欲しいです!
2012.3.1.(木)
“anotherchair”
(dko + Jake)
- 出演
- anotherchair : dko (about tess) + Jake (cloudchair)
- OCCURPOO
- ハミングブラザーズ
- 会場
- 吉祥寺 MANDA-LA2
- 時間
- 開場 18:30 / 開演 19:30
- 料金
- ¥2,000
(+ 1 Drink)
※anotherchairの出演は2番目の予定です
チケットについて
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