【レビュー】One Control | Strawberry Red Over Drive

  • 2014-10-04 (土)

Strawberry Red Over Drive

BJFデザインの超上質OD

One Controlのエフェクター “Strawberry Red Over Drive”をレビューします。
まずは今回制作したデモ動画を是非ご覧ください!

One Control | Strawberry Red Over Drive – Designed by BJF

Cinematography by
Yusuke Maehara
Directed by
cloudchair
Supported by
MUSICLAND KEY

デモの設定とレビュー

上記デモ映像で使った機材は、アンプがFender Twin Reverb
ギターはdragonfly HI STA CUSTOM SSH
最近レビューしたBoss Waza CraftシリーズNoel Cornetシリーズと同じく、ミュージックランドKEYのご協力を得て使わせていただきました。

それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。

Basic Tone

Treble
12 (時方向)
Volume
12
Drive
12
Low (Trim)
Max

まずはノブを全て真ん中にした設定です。

太さ・厚み・エッジ感、それらがバランス良く表現されていると思います。
ナチュラルな質感やタッチへの反応性など、かなりアンプライクだと感じました。
ノイズもかなり少ないです。

3つのノブ以外に、側面にドライバーで調整する”Low”コントロールがあります。
このデモでは基本的にLowをフルにしています。


Crunch Rhythm

Treble
2
Volume
12
Drive
9
Low
Max

Driveを抑えたクランチ・セッティングです。
ゲイン弱めのチューブ・アンプで歪ませたような質感です。
太さと歯切れの良さが共存しています。


Mid Rangy Drive

Treble
7
Volume
12
Drive
1
Low
Max

Trebleを絞り切った設定です。
この状態でも全くこもった感じはなく、スムーズなトーンという感じです。
一般的な歪みペダルの”Tone”のようにトーン全体を変えるのではなく、あくまで高域のエッジ感を調整するものになっている事がわかります。


Mid Rangy Drive [Low Cut]

Treble
7
Volume
12
Drive
1
Low
Min

前のパートと同じ設定のまま、Lowを絞り切ってみました。
ここではピックアップをブリッジからネックに換えています。
低域が豊かなペダルなので、ネック側のピックアップだと若干ブーミーな印象があります。この場合はローカットが実に有効です。
低域がすっきりしてタイトになりますが、音の芯には影響を与えないので物足りなさは感じません。


Mild Tone Lead

Treble
7
Volume
2
Drive
9
Low
Max

ネック・ピックアップを使い、Lowをフルに戻し、歪みを控えめにしてリードを弾いています。
王道のローゲイン系オーバードライブを思わせる、まろやかなトーンです。
マイルドな質感でありながら中域以外も削られることなく、レンジが広く伸びています。


Edgy Drive

Treble
4
Volume
12
Drive
2
Low
Max

エッジを効かせた歪みの設定です。
ここでギター・ボリュームへの反応をチェックしました。
冒頭ではボリュームを2程度にしています。
ボリュームをフルにした際の歪みを聴くと、ダイナミクスへの反応性が高い事がわかります。
バイト感(噛み付くような感じ)と太さのバランスが実に良いと思います。


Hot Drive

Treble
5
Volume
12
Drive
5
Low
Max

DriveとTrebleをフルにした設定です。
太さや厚み、歯切れの良さを保ちながら、結構深く歪みます。
前のパートと比べて極端な変化は感じませんが、その分微調整が効くという事でもあります。


Hot Drive with Booster

Treble
5
Volume
12
Drive
5
Low
Max
(Booster Level)
2

上記と同じ設定のまま、Granith Grey Boosterを前段に置いて更にブーストしました。
このブースターは色付けが非常に少なく、ここでは純粋にギター側の出力を増加させた感じです。
音色は基本的に変わりませんが、更に太く伸びやかになったように感じます。
ここまでゲインを上げてもギラつく事なく、滑らかなオーバードライブ的トーンを保っています。
速いフレーズも潰れず、タッチのニュアンスもしっかり残っています。


総評

非常に上質なオーバードライブです。

どのノブも変化がなめらかで、使いやすい幅に設定されています。
どの設定でも極端な音にならないので、調整しやすく実用的だと思います。

同ブランドのAnodized Brown Distortion(レビューはこちら)にも感じた事ですが「ペダル自体の個性はあまり主張せず、アンプライクな歪みを自然に提供する」という印象を受けました。
そして、一般的なオーバードライブに求められる様々な要素を難なくクリアしていると感じました。
それでいて決して無難なわけでもないのが少し不思議なくらいなのですが、それは「とにかくクオリティが高く弾き心地が良い」という理由で納得出来ました。

個人的には入手後すぐにライブ用エフェクター・ボードに入れた、特にお気に入りの機種です。
是非お手に取ってお試しくださいませ。

Strawberry Red Over Driveは、あらゆるジャンルのあらゆるギタリストが求めるオーバードライブを目指して開発をスタートさせました。
どんなギターアンプにも、“良い音”と言われるモデルには共通する音色特性が存在しています。そして、Strawberry Red Over Driveの回路設計を行ったBJFは、それを熟知していました。

  • ギターサウンドの核となる部分を刺激するペダルであること
  • どんなギター、アンプにつないでも、常にギタリストが欲しい音を出力すること
  • ギターやアンプ、エフェクターなど、他の機材の持つ特性を最大限に活かすこと
  • 完全なクリーンから強い歪みまでをカバーすること
  • プレイヤーが手元で行った表現を余すこと無く拾い上げること
  • その上で、細かな音色調整ができること

これらの条件は、Strawberry Red Over Driveを作る上で絶対に妥協できませんでした。

Strawberry Red Over Driveは、完全なクリーンブーストからローゲインでブルージーなオーバードライブ、迫力あるハードオーバードライブ、さらに強力なディストーションの領域まで、Driveノブ1つでコントロールできます。
Driveを最小に絞れば完全なクリーンブースターとなります。この時、Volumeノブで最大+6dBまでのブーストが得られます。
また、一度ゲインを設定すればDriveノブを動かさずとも、ギター側のボリュームを絞れば即座にゲインを下げることができます。Strawberry Red Over DriveのDriveを上げ、ギター側のボリュームを下げた時のクリーンサウンドは倍音成分が豊かで厚みのあるセンシティブな美しい音色が得られます。これは極上の1ボリュームチューブアンプを思い起こさせます。

ハイレスポンスでハイダイナミックレンジのオーバードライブペダルは、時に扱いにくい音色になることがあります。Strawberry Red Over Driveは、ギターサウンドの核を常に失わず、重心の密度が高く芯がぶれない音色のため、ギタリストの操作に対しダイナミックに応えながら、常に扱いやすい音色を出力します。

Strawberry Red Over DriveのTrebleコントロールは、ミッド~トレブルを-3dB~+6dBの範囲でコントロールできるアクティブトーンです。Trebleを絞った際は70Hz~7KHzの範囲を調整し、Trebleを高くすれば700Hz~7KHzの範囲を軽くブーストします。
この特性により、倍音成分が強調される煌びやかな歪みから、トレブルをカットした暖かなトーンまで調整できます。どの位置に設定しても極端な音色にはなりませんので、ノブの可変幅を大きく使って詳細に音色を作ることができます。

さらに、Strawberry Red Over Driveは、アウトプット端子の隣にLow Cutトリムポットを用意しています。このポットにより、ローエンドをカットすることができます。
Strawberry Red Over Driveは迫力のあるタイトなローエンドという、ギターアンプに求められる条件を満たしていますが、組み合わせるギターやアンプ、スピーカーの特性によってローが強く出ていると感じる場合があります。そんな時には、トリムポットを調整することでローエンドをカットし、音色をすっきりとさせることができます。
19Hz~170Hzの範囲を、最大-6dBまでカットすることができるので、最大までカットしても音がスカスカになってしまうこともありません。

Strawberry Red Over DriveSROD)のアイディアは、どんなアンプとスピーカーのコンビネーションであっても、どんなピックアップでもローゲインからミディアムゲインオーバードライブ、ディストーションへ、また歪んだアンプや他の歪みペダルをさらにプッシュできることを目指した。SRODの音は、これまでマーケットで聞いてきたどのオーバードライブとも異なっている。マッスルなオーバードライブだが、同時に古い音も出せる、ほんとうの意味でヴァーサタイルだ。
SRODのEQオプションは、ライブやレコーディングで実際に使用する範囲に抑え、極端な設定をあえて排除することで、より詳細に様々な状況に対応できるようになった。
SRODはミニチュアサイズだから、例えば飛行機の手荷物の中にも入る。どこにでも気軽に持ち歩けるから、いつでも最良の音色を使うことができるだろう。」

───Bjorn Juhl

ナインボルト | One Control Strawberry Red Over Drive

strawberry red over drive

MUSICLAND KEY | dragonfly HI STA CUSTOM SSH

dragonfly

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