【ナインボルトペダルズ第1弾】Surfing Bear Overdrive
- 2015-04-30 (木)
エフェクター専門店オリジナルブランドが提示する、かわいくて使いやすいオーバードライブ
エフェクター専門店ナインボルトがオリジナルブランド“NINEVOLT PEDALS”を立ち上げました。
「可愛い動物たちやユニークなキャラクターをモチーフにしたオリジナルペダル」というコンセプトの、実にかわいいデザインのエフェクターです。
第1弾のオーバードライブ、そして第2弾のディレイが発売されたばかりです。
早速この2機種のデモ動画を制作しました。
今回の記事ではまず第1弾“Surfing Bear Overdrive”のレビューを掲載します。
それでは是非動画をご覧くださいませ!
Ninevolt Pedals | Surfing Bear Overdrive
Ninevolt Pedals | Relaxing Walrus Delay
- Music / Movie / Cast
- cloudchair
- Cinematography
- Yusuke Maehara
- Thanks to
- Fujigen
- Lep International
- One Control
- PURUS Picks
- Sfarzo Strings
SURFING BEAR OVERDRIVEは、今の時代のギタリストが必要とする、最も基本的な歪みを作るためのオーバードライブペダルです。
クリーンブーストから軽いクランチ、ブライトで暖かなドライブトーンまで、リズムにもリードにも自在に使うことのできる音色です。ギタートーンに求められる、全体的にフラットでダイナミクスレンジが広く、それでいてミッドが盛り上がるトーンです。
単体での使用はもちろん、他の歪みやアンプをSURFING BEAR OVERDRIVEでブーストしても、逆にSURFING BEAR OVERDRIVEを別の歪みやブースターでプッシュしても効果的な使い方が可能です。回路として、ベースとなっているのは伝説のドライブペダルである“808”です。しかし、それをそのまま再現、復刻しても“今の音”にはなりません。
今のギタリストが求めるトーン、それは広いダイナミクスレンジを持ち、ギターのVolumeでゲインを可変できる応答性の良さがあり、和音の構成が即座に分かるような明瞭さが必要です。かといってただ明瞭なだけではなく、アタックとサステインのバランスも重要です。SURFING BEAR OVERDRIVEは、十分なサステインを持ち、カッティングでもうるさくなり過ぎないアタックと音が埋もれない、明瞭で前に出る歪み。これらの要素を兼ね備え、TONEノブで音色を軽くカスタマイズできます。
VOLノブは高い出力レベルを持ち、DRIVEノブを下げればクリーンブーストも可能。逆にDRIVEノブを高く設定すれば伝説の“808”トーンを思わせる、マイルドで暖かなトーンとなります。
常に音色には明瞭さがあり、音がこもったりするような感覚はありません。フットスイッチはトゥルーバイパス。9V電池、またはスタンダードなセンターマイナスDC9Vアダプターで駆動します。
デザインはオーストラリアで活動するサーフアート画家Jonas Cleasson氏が担当。
サーフィン中にコーヒーブレイクするクマという
非日常的感覚ををほのぼのとしたタッチでドローイングされています。– ナインボルト商品ページより –
デモの設定とレビュー
今回はフジゲンの協力を得て、ギターを2本使用しています。
FGN MSA-HP-CとFGN EOS-ASH-R、どちらも鳴りが良く弾いていて楽しいモデルでした。
アンプはFender Twin Reverb。
そして木製ハンドメイド・ピックPURUS Picksのオリジナル・モデルを使っています。
弦はSfarzo SFT Screamersの.010〜.046ゲージを使用しています。
なおリード・パートには同ナインボルトペダルズのディレイ“Relaxing Walrus Delay”を使用しています。
ディレイの設定については次のレビュー記事で紹介しています。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Drive
- Vol
- 12 (時方向)
- Tone
- 12
- Drive
- 12
まずは全てのノブを12時にした設定でリズムとリードを弾きました。
TS系らしい質感を持っています。
レンジが広めで中域もふくらみ過ぎず扱いやすいと思います。
タッチのニュアンスも出しやすいです。
Clean Boost
- Vol
- 1
- Tone
- 3
- Drive
- 8
ゲインを絞ったクリーン・ブースター的な設定です。
TS系らしいコンプ感があり、あまり歪ませずにあたたかみを加えます。
Fat Boost
- Vol
- 2
- Tone
- 12
- Drive
- 9
Driveが低めだと甘めのトーンになります。
ここではそのトーンを活かしてリードを弾いてみました。
アタックの程良いエッジ感に色気があります。
Crunch Lead
- Vol
- 1
- Tone
- 1
- Drive
- 10
クランチ設定でブルーズ/ファンク的なリードを弾きました。
カッティングでのアタック感がおわかりいただけると思います。
この設定ではタッチの強弱が特に強く反映されました。
Edgy Drive
- Vol
- 3
- Tone
- 1
- Drive
- 3
ゲインを上げ目にした設定です。
厚みと歯切れの良さを兼ね備えた歪みで、ハムバッキングでのリズム・プレイには使いやすいと思います。
TS系ながら、高めのゲイン設定に対応しています。
Hot Lead
- Vol
- 5
- Tone
- 11
- Drive
- 5
VolとDriveを最大にした設定でのリードです。
アタックのザクザクしたバイト感が出てエッジが強調されます。
深く歪ませても太く滑らかなトーンを保ち、ニュアンスも良く出ます。
なお、もう1つのRelaxing Walrus Delayでも全編でこの“Surfing Bear Overdrive”を使用しています。
そちらの動画での設定も紹介しておきます。
Medium Delay
- Vol
- 1
- Tone
- 5
- Drive
- 7
Slap Delay (イントロもこの設定)
- Vol
- 1
- Tone
- 1
- Drive
- 10
Sequential Delay
- Vol
- 2
- Tone
- 5
- Drive
- 8
Long Delay
- Vol
- 12
- Tone
- 12
- Drive
- 3
Self Oscillation
- Vol
- 2
- Tone
- 12
- Drive
- 7
総評
「今の時代のギタリストが必要とする、最も基本的な歪みを作るためのオーバードライブ」という公式文がしっくりくるペダルです。
一般的なオーバードライブに求められる要素の数々をクリアした、ヴァーサタイルなエフェクターだと思います。
個性は薄いですが、その分様々な場面にフィットする使いやすいオーバードライブです。
ペイントはマットな質感でチープな印象はあるのですが、その点も含めてとてもかわいいアイテムに仕上がっています。
価格も低めですし、幅広い用途に使えますので入門用のスタンダードに成り得る機種だと感じました。
実に「オーバードライブらしい」ペダルです。
次回は第2弾“Relaxing Walrus Delay”を紹介します。
そちらもお楽しみに。
SURFING BEAR OVERDRIVE | ナインボルト
RELAXING WALRUS DELAY | ナインボルト
FGN MSA-HP-C | フジゲンオンラインショップ
FGN EOS-ASH-R | フジゲンオンラインショップ
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