【メタル系3連続レビュー#1】”What You Want 2 Micro”
- 2015-01-13 (火)
ウクライナ産ハイゲイン・ディストーション”WYW2M”
この度はヘヴィメタル系アイテムのデモ動画を数本並行して制作しました。
既にCaparison HorusとOGREの2本を公開して好評をいただいております。
今回のメタル・シリーズ完結編として、3部作を用意しました。
同じ楽曲を基に、映像や構成が少しずつ異なる3バージョンです。
勿論それぞれの動画で違うエフェクターを紹介しています。
前2作とも繋がっていますので、各曲に共通のモチーフや似たフレーズが登場します。
という訳で、これから3回連続でメタル向けハイゲイン・ディストーション3機種を紹介します!
今回紹介するのは、ウクライナのブランドPiod Effectsのディストーション“What You Want 2 Micro”です。
まずは動画をお楽しみください!
What You Want 2 Micro [Hi Gain Distortion] by Piod Effects
- Music / Movie / Cast
- cloudchair
- Cinematography by
- Yusuke Maehara
- Cinematography Advisor
- Yawara Inafuku (+CLEAR+)
- Shot at
- YouTube Space Tokyo
- Thanks to
- MUSICLAND KEY
- Caparison
- Lep International
- Piod Effects
Piod Effects What You Want 2 Microは、よりコンパクトに、しかしパワフルさを失わないよう設計されたハイゲインディストーションです。
このマイクロバージョンは、What You Want 2と全く同じ歪み回路をスモールケースに収めたバージョンです。3バンドEQや2つのトグルスイッチを無くし、シンプルな1ノブの“Versatile Tone Control”ノブを搭載しました。これは、たった1つのノブで数々のトーンを得られます。
ノブを左に回し、設定を低くすれば低域をブーストし、ハイをカットします。右に回していくと、ハイをブーストします。中央付近から少しだけ右に回した位置ではミッドレンジを強くえぐります。
このノブにより、多くのロック、メタルトーンにお使いいただけます。
特に、クリッピングステージを用いずに歪みを作り出すため、アンプのナチュラルなハイゲインをそのまま作ることができます。What You Want 2 Microのバイパススイッチは、柔らかくノイズレスにエフェクトのON/OFFが可能なSoft Silent Relay Bypass Switch Systemを採用しています。このシステムにより、ハイゲインセッティングでもポップノイズを排除することができます。
- 特徴
- ミッド~ハイゲインサウンド
- ナチュラルでチューブアンプのような歪みを実現
- No Diode Clipping Stages
- タッチセンシティブなレスポンスと高い分離感
- ローレベルオーディオノイズ
- スタンダードなセンターマイナス9VDCのパワーサプライに対応(電池はご使用になれません。)
– ナインボルトより –
デモの設定とレビュー
上記デモ映像で使ったギターはCaparison Horus-M3。今回のメタル系レビュー・シリーズ全てで使用しています。
ヘヴィメタル仕様、27フレット搭載のこのモデルは、ミュージックランドKEYの協力により特別に使わせていただきました。
そしてアンプはFender Twin Reverbです。
それではデモでの設定を紹介しながらレビューしていきます。
Basic Setting
- Level
- 12(時方向)
- Gain
- 12
- Tone
- 12
まずは全てのノブを12時にしてリズムとリードを弾きました。
いきなりジュワッと深く歪みます。
エッジが利いていてミドルがすっきりしたモダンな歪みです。
ローもハイも伸びていて、密度が濃いですね。
ザクザク感が気持ちいいです。
Crunch Rhythm
- Level
- 12
- Gain
- 9
- Tone
- 10
クランチ設定です。歯切れの良さが際立ちます。
Toneを絞るとマイルドな感じになります。
ゲインを低くしても、歪みの質はあくまでディストーション的なエッジを保っているように感じます。
Mild Lead
- Level
- 2
- Gain
- 9
- Tone
- 10
クランチの設定から少しレベルを上げ、ハリを増したトーンでリードを弾きました。
タッチへの反応が速く、ニュアンスを出しやすいです。
Hi Gain Rhythm
- Level
- 12
- Gain
- 5
- Tone
- 1
Gainを最大にした設定です。正にハイゲイン、凶暴な歪みです。
公式説明にあるように「Toneを中央付近から少しだけ右に回した位置ではミッドレンジを強くえぐります」。
ミッドスクープされたメタリックなトーンです。
かなり歪んでいますがタイトなので、パーム・ミュートで刻むリフも歯切れ良く聞かせやすいです。
Shred Lead
- Level
- 2
- Gain
- 3
- Tone
- 2
ハイゲイン設定でのリードです。
音の粒立ちが良く、ピッキングのアタックがくっきり聞こえます。
スウィープも分離良く聞こえてきます。
軽いタッチでもザクザクとしたトーンが出せるので、フルピッキング派で迫力を求めている方には特にお薦めです。
総評
3コントロールのシンプルな構成ながら、ハイゲイン・ディストーションに要求される様々なシチュエーションに対応出来るペダルだと思います。
この機種には兄弟機What You Want 2があり、そちらは3バンドEQと2つのミニスイッチを搭載していてかなり設定を追い込めるようです。
今回紹介したマイクロ・バージョンでは、3ノブの使いやすい設定になっています。
Toneには“Versatile Control”と書かれている通り、トーンの効きが幅広いです。
スイッチはSoft Silent Relay Bypass Switch Systemという仕様です。
実に柔らかい感触で、踏み心地が良いです。
そしてトゥルー・バイパスになっています。
「手軽にモダンなハイゲイン・サウンドを出せて、簡単な操作で幅広いトーン設定が出来る」ペダルです。
次回もどうぞお楽しみに!